住吉鳥居前駅(阪堺電車)
大阪に一系統だけ残った路面電車、阪堺電車がコトコトと停まる小さな電停で、ホームを降りればもう住吉大社の西大鳥居が正面に立っている。改札も跨線橋もなく、軌道のすぐ脇から朱の鳥居へ歩き出せる近さは、ここが車より先に「歩く人と路面電車のための門前」だった頃の名残のように思える。すぐ南の汐掛道沿いには、終電がきわめて早いことで知られた住吉公園駅があったが、線路の老朽化で2016年に役目を終えた。だから今、軌道で住吉大社の鳥居前に立てる電停はここひとつ。発車を待つ電車の窓越しに大鳥居を見ていると、歩き出す前から少し背筋が伸びる。