阪急箕面駅と滝道の入口
箕面線の終着である箕面駅は、改札を出て左へ進むとすぐ土産物店や茶店が連なる通りにつながり、そのままが渓谷へ続く滝道の入口になっている。山あいの駅でありながら梅田から乗り換え一回で着いてしまう近さが、この街の独特な立ち位置を物語る。駅前で揚げたてのもみじの天ぷらや弁当を仕込み、ここから川沿いを歩き始めるのが箕面の流儀だ。滝までは舗装路の上り基調なので、底のしっかりした靴で出発したい。
梅田から電車で三十分ほど、改札を出るとすぐに山の匂いがする。箕面の楽しみは、目的地の滝そのものよりも、そこへ至る道のほうにある。阪急箕面駅から大滝までは、箕面川のせせらぎに寄り添う約2.8キロのほぼ一本道。舗装され、ゆるやかに高度を上げていくこの「滝道」を、紅葉が天井のように覆う。色づいたカエデやモミジが川面に映り、岩を巻いて落ちる水音と混ざり合う。古刹で水の神に手を合わせ、虫たちの世界をのぞき、揚げたてのもみじの天ぷらを片手に、最後にあの一筋の滝へ。立ち止まっては歩き出すその繰り返し自体が、ここでは目的になる。歩いた距離のぶんだけ、ごほうびが大きくなる道だ。
大阪・箕面 / 滝と紅葉の渓谷さんぽ
マチノワ編集部
順位ではなく、編集部が選んだ4スポットを順にご紹介します。梅田から電車で三十分ほど、改札を出るとすぐに山の匂いがする。箕面の楽しみは、目的地の滝そのものよりも、そこへ至る道のほうにある。阪急箕面駅から大滝までは、箕面川のせせらぎに寄り添う約2.8キロのほぼ一本道。舗装され、ゆるやかに高度を上げていくこの「滝道」を、紅葉が天井のように覆う。色づいたカエデやモミジが川面に映り、岩を巻いて落ちる水音と混ざり合う。古刹で水の神に手を合わせ、虫たちの世界をのぞき、揚げたてのもみじの天ぷらを片手に、最後にあの一筋の滝へ。立ち止まっては歩き出すその繰り返し自体が、ここでは目的になる。歩いた距離のぶんだけ、ごほうびが大きくなる道だ。
箕面線の終着である箕面駅は、改札を出て左へ進むとすぐ土産物店や茶店が連なる通りにつながり、そのままが渓谷へ続く滝道の入口になっている。山あいの駅でありながら梅田から乗り換え一回で着いてしまう近さが、この街の独特な立ち位置を物語る。駅前で揚げたてのもみじの天ぷらや弁当を仕込み、ここから川沿いを歩き始めるのが箕面の流儀だ。滝までは舗装路の上り基調なので、底のしっかりした靴で出発したい。
箕面川の両岸にまたがって境内が広がる瀧安寺は、役行者(役小角)が箕面滝で修行した折に創建したと伝わる本山修験宗の古刹で、ここに祀られる弁財天は日本でも最も古い弁財天のひとつとされる。水の神である弁財天が、豊かな水を落とす大滝を背景に祀られている点が、この渓谷の信仰の核を成している。江戸期に行われた富くじ「箕面富」が宝くじの源流のひとつとされるのも、芸能と財運の神を祀るこの寺ならではの来歴だ。朱塗りの観音堂や瑞雲橋が紅葉に映え、滝道歩きの自然な休憩点になる。
滝道の中ほどに建つ箕面公園昆虫館は、ドーム型の放蝶園で一年を通して生きたチョウが舞い、渓谷の生態系を体感できる施設だ。箕面山一帯は古くから昆虫採集のフィールドとして知られ、その自然をそのまま展示に取り込んでいる点が、ただの屋内施設と違うところ。歩き疲れた足を休めつつ、外を歩くだけでは出会えない渓谷の小さな住人たちを間近で観察できる。子ども連れの寄り道先として、滝までの道のりに変化をつけてくれる。
滝道の突き当たりで待っているのが、落差およそ33メートルの箕面大滝だ。日本の滝百選にも数えられるこの滝は、岩肌を一気に滑り落ちる白い一筋と、それを縁取るように色づく渓谷の紅葉が同じ視界に収まることで知られる。滝の形が農具の箕(み)を振るう姿に似ていることが「箕面」という地名の由来とされ、滝そのものが街の名の起こりになっている点が他にない。滝壺前は広場になっており、歩き通したあとにここで仰ぎ見る一本の水流は、距離のぶんだけ印象に残る。最盛期は十一月後半から十二月初めにかけて、滝と紅葉が最も濃く重なる。
水音をたどって歩けば、色は深くなる。マチノワ編集部
滝までたどり着いたら、来た道をそのまま戻るのが基本になる。下りは同じ渓谷でも光の角度が変わり、行きとは違う紅葉が目に入るはずだ。途中の茶店でもみじの天ぷらを買い足し、川のほとりのベンチでひと息つくのもいい。日が傾くと渓谷は急に冷えるので、薄手でも羽織るものを一枚持っておくと安心だ。なお紅葉の最盛期、とりわけ十一月後半の週末は滝道が大変混み合う。昆虫館の休館日や各施設の受付時間、当日の天候による通行規制などは、訪ねる前にそれぞれの公式情報で見ておくと歩きやすい。マチノワ編集部としては、午前の早い時間に駅を出て、人波の前を歩くことをおすすめしたい。