諏訪神社(富岡)
信州・諏訪大社の分霊を勧請したと伝わる富岡の鎮守で、上州富岡駅のほぼ正面に鎮座する。駅と製糸場のちょうど中間にあたるため、繰糸の喧騒へ踏み込む前のひと呼吸として立ち寄りやすい立地が、この社ならではの役どころだ。
上州富岡は、製糸の音が止んでもなお煉瓦の壁が街の背骨であり続ける町だ。駅を出れば商店街のすぐ先に明治五年創業の工場が残り、そこから少し足をのばせば、参道を下って社殿に向かう珍しい古社が山あいに鎮座する。この記事では、上信電鉄で着いてから半日。駅前の鎮守に寄って息を整え、製糸場では建物を一棟ずつ時間をかけて読み、最後に下り宮で締める。世界遺産を点で見るのではなく、富岡という土地の重なりとして歩いてみたい。
明治の器械製糸が残した木骨煉瓦の街を、駅前の杜から下り宮まで歩いてつなぐ
マチノワ編集部
順位ではなく、編集部が選んだ4軒の名店を順にご紹介します。上州富岡は、製糸の音が止んでもなお煉瓦の壁が街の背骨であり続ける町だ。駅を出れば商店街のすぐ先に明治五年創業の工場が残り、そこから少し足をのばせば、参道を下って社殿に向かう珍しい古社が山あいに鎮座する。この記事では、上信電鉄で着いてから半日。駅前の鎮守に寄って息を整え、製糸場では建物を一棟ずつ時間をかけて読み、最後に下り宮で締める。世界遺産を点で見るのではなく、富岡という土地の重なりとして歩いてみたい。
信州・諏訪大社の分霊を勧請したと伝わる富岡の鎮守で、上州富岡駅のほぼ正面に鎮座する。駅と製糸場のちょうど中間にあたるため、繰糸の喧騒へ踏み込む前のひと呼吸として立ち寄りやすい立地が、この社ならではの役どころだ。
桁行100mを超す木骨煉瓦造の繭倉庫で、正門を入って正面に立ちはだかる。建物内を貫く通路のアーチ、その要石に刻まれた「明治五年」の文字は創業の年そのもので、ここに立つだけで工場の起点に触れられるのが他棟にない見どころ。1階は事務所や作業場、2階に乾かした繭を貯えた。
繭から生糸を繰り出した作業場で、内部が公開されている。柱を中央に立てないトラス構造で長さおよそ140mの大空間を架け、明かり取りの高い天窓から光が落ちる設計は、当時の最新技術を実見できるこの棟だけの体験だ。片倉工業時代に導入され1987年の操業停止まで使われた日産自動車製の自動繰糸機が、今も並んで残る。スマホアプリの無料音声ガイドを使うと解説を聞きながら回れる。
上野国一宮として崇敬を集めてきた古社で、いったん石段を上って総門をくぐると、そこからさらに石段を下った窪地に社殿が建つ「下り宮」。日本三大下り宮にも数えられ、神様を見上げず見下ろす形で参拝へ近づく独特の動線は、平地の製糸場とは対照的で、半日の締めくくりに地形の妙を味わわせてくれる。
煉瓦は焼き継がれ、繭は乾かされ、社は窪地に伏せられる。富岡は、火を入れて待つ町である。マチノワ編集部
10:00に上州富岡駅へ降り立ち、まず駅前の諏訪神社で旅の無事を願う。10:20には製糸場の正門をくぐり、東置繭所のアーチ銘板を見上げてから、11:00過ぎに繰糸所の長大な架構へ。建物を一棟ずつ読み終えたら、13:30の電車で上州一ノ宮へ移動。14:00、貫前神社の総門をくぐって石段を下り、窪地の社殿に参って夕方の便で帰路につく。なお拝観料や開場時間、各施設の開館日・休館は折々で変わるので、出かける前に各施設の公式案内で一度ご確認を。