金森赤レンガ倉庫
1909年(明治42年)築の営業倉庫をそのまま店舗や広場に転用した一画で、運河に面した赤レンガの壁が水面に映りこむ。BAYはこだてや金森洋物館など複数の棟に分かれ、海産物や工芸の店をのぞきながら港の風を浴びられる。坂を上る前にここで海面の高さを目に焼きつけておくと、このあと八幡坂の上から見下ろす港の広がりが効いてくる。営業時間は季節で動くことがあるので、立ち寄り前に公式サイトで当日の時間を見ておくと安心だ。
函館の魅力は、港と山と教会が一枚の絵におさまってしまう距離の近さにある。ベイエリアの赤レンガから坂をひとつ上れば異国の聖堂が建ち、その背後にはもう函館山が控えている。だからこの半日は、欲張らず西側だけを丁寧に歩く。明るいうちに港町の地形を体に入れておき、黄昏どきに坂と教会の表情が変わるのを見届けてから、最後に山の上へ。光が足りない時間に高い場所へ着くよう、あえて午後遅くに歩き出す逆算の行程にした。
海へ落ちる石畳の坂と、白壁の聖堂。日が傾くにつれて街が光をまとっていく函館の西側を、午後から夜まで歩いてつなぐ。
マチノワ編集部
順位ではなく、編集部が選んだ4軒の名店を順にご紹介します。函館の魅力は、港と山と教会が一枚の絵におさまってしまう距離の近さにある。ベイエリアの赤レンガから坂をひとつ上れば異国の聖堂が建ち、その背後にはもう函館山が控えている。だからこの半日は、欲張らず西側だけを丁寧に歩く。明るいうちに港町の地形を体に入れておき、黄昏どきに坂と教会の表情が変わるのを見届けてから、最後に山の上へ。光が足りない時間に高い場所へ着くよう、あえて午後遅くに歩き出す逆算の行程にした。
1909年(明治42年)築の営業倉庫をそのまま店舗や広場に転用した一画で、運河に面した赤レンガの壁が水面に映りこむ。BAYはこだてや金森洋物館など複数の棟に分かれ、海産物や工芸の店をのぞきながら港の風を浴びられる。坂を上る前にここで海面の高さを目に焼きつけておくと、このあと八幡坂の上から見下ろす港の広がりが効いてくる。営業時間は季節で動くことがあるので、立ち寄り前に公式サイトで当日の時間を見ておくと安心だ。
かつて坂上にあった函館八幡宮にちなんで名づけられた石畳の坂で、頂部に立って振り返ると、舗道が一直線に港まで下り、その先の海上に摩周丸が浮かんで見える。函館に並ぶ坂のなかでも海への抜けが際立つ一本で、左右の街路樹がフレームのように視界を絞ってくれる。日が傾くと路面と海が同じ金色に染まり、写真の一枚どころか足を止めて見入る時間になる。坂は普通の市道なので時間の制約はなく、自分のペースで上り下りできる。
日本でロシア正教の流れをくむ最初の聖堂が置かれた場所で、現在の建物は1916年(大正5年)の再建。緑青の屋根と白い漆喰壁、いくつも連なる丸屋根の輪郭が、すぐ近くのカトリックや聖公会の教会とは異なる正教会らしい姿を見せる。鐘の音から「ガンガン寺」と親しまれてきた鐘楼は、夕暮れに見上げると陰影が深まり、坂の街がもつ異国情緒の核心になる。内部の拝観や祈祷の時間は限られ料金もかかるため、立ち入りを考えるなら教会公式の拝観案内で最新の扱いを確かめておきたい。
標高334メートルの山頂から、函館の市街が両側を海に挟まれた砂時計のようなくびれを描いて広がる。この独特の地形こそが、港町の灯りを左右の暗い海が縁取る函館ならではの眺めをつくっている。昼間に坂や港で覚えた街路の形が、暮れるにつれてそのまま光の線へ変わっていくのを上から確かめられるのが、この行程の締めくくりにここを置いた理由だ。ロープウェイの運行は時期で時間帯が変わり、点検運休の期間もあるので、上る前に当日の運行と最終便を公式で押さえておくこと。
坂を上るたびに港が低くなり、振り返るたびに空の色が変わる。函館の西側は、歩く速さで暮れていく。マチノワ編集部
15:30に金森赤レンガ倉庫で港の空気を吸い、16:30ごろ八幡坂を上りきって海へ続く石畳を振り返る。17:00前後に元町のハリストス正教会で鐘楼の白壁を眺めたら、暮れゆく坂道を抜けて十字街方面へ。18:00すぎにロープウェイ山麓駅へ向かい、空が藍に沈むタイミングで函館山の頂へ上がる――坂で覚えた港の輪郭が、眼下でそのまま光に置き換わっていく。下りの最終便は時期で変わるので、山頂でくつろぐ前に発車時刻を一度たしかめておくと帰りがあわてない。