花のみち
阪急宝塚駅から大劇場へ続く、中央が一段高くなった遊歩道。その高まり自体が「舞台へ向かう花道」を模した造りで、宝塚という街の入口にこれ以上ふさわしい道はない。並木のあいだには歌劇をモチーフにしたブロンズ像が点在し、『ベルサイユのばら』の像のまわりには実際にバラが植えられていて、咲く頃にはオスカルとアンドレが赤い花に囲まれる。春は約60本のソメイヨシノがトンネルをつくり、ここを通り抜けること自体がもう一つの観劇になる。
宝塚の街は、川の北側にぎゅっと見どころが寄っている。阪急とJRの駅を出れば、もう目の前に桜並木のプロムナードがはじまり、その先で大劇場の白い壁が待つ。今回は「あちこち遠征しなくても、半日歩けば歌劇とマンガ、高台の社まで一気に触れられる」という宝塚らしさを軸に、花のみちを背骨にして四つを選んだ。観劇のチケットがなくても楽しめること、駅から無理なく歩いてつながること、そして他の街では替えのきかない一景を持っていること。この三つで絞っている。
兵庫・宝塚|TAKARAZUKA
マチノワ編集部
順位ではなく、編集部が選んだ4軒の名店を順にご紹介します。宝塚の街は、川の北側にぎゅっと見どころが寄っている。阪急とJRの駅を出れば、もう目の前に桜並木のプロムナードがはじまり、その先で大劇場の白い壁が待つ。今回は「あちこち遠征しなくても、半日歩けば歌劇とマンガ、高台の社まで一気に触れられる」という宝塚らしさを軸に、花のみちを背骨にして四つを選んだ。観劇のチケットがなくても楽しめること、駅から無理なく歩いてつながること、そして他の街では替えのきかない一景を持っていること。この三つで絞っている。
阪急宝塚駅から大劇場へ続く、中央が一段高くなった遊歩道。その高まり自体が「舞台へ向かう花道」を模した造りで、宝塚という街の入口にこれ以上ふさわしい道はない。並木のあいだには歌劇をモチーフにしたブロンズ像が点在し、『ベルサイユのばら』の像のまわりには実際にバラが植えられていて、咲く頃にはオスカルとアンドレが赤い花に囲まれる。春は約60本のソメイヨシノがトンネルをつくり、ここを通り抜けること自体がもう一つの観劇になる。
花のみちを抜けた先に立つ、宝塚歌劇の本拠地。約2500席の大劇場は歌劇がここで生まれ育った場所そのもので、街の名前と劇場の名前が分かちがたく結びついている数少ない例だ。公演を観なくても、館内のレストランやミュージアムショップ、関連施設をのぞくだけで華やいだ空気は十分に味わえる。公演スケジュールやチケットの扱いは時期で変わるので、訪問前に歌劇の公式サイトで最新を押さえておきたい。
手塚治虫が幼少期から青年期までを過ごしたのが宝塚で、その縁からこの地に建てられた記念館。歌劇の華やかさとは別の角度から街を知れるのがいい。少年時代に観た宝塚歌劇の影響は『リボンの騎士』などにも色濃く、ここに立つと「なぜ手塚マンガが宝塚から生まれたのか」が腑に落ちる。エントランスを飾るモチーフから常設展、図書コーナーまで、ファンでなくても楽しめる構成だ。開館時間・休館日・入館料は変わることがあるため、宝塚市の公式ページで確かめてから向かいたい。
花のみち界隈から少し南西へ離れ、逆瀬川の駅側へ回ると現れる高台の社。境内からは大阪方面の街並みや生駒・金剛の山々まで見晴らせ、初日の出のスポットとしても知られる。日吉神社と素盞嗚神社が合わさって今の名になった歴史を持ち、大山祇神を「山に宝を積む」福の神として祀る。劇場や記念館の賑わいとは対照的な静けさで、半日の街歩きを締めくくる場所にちょうどいい。授与所の時間は変わることもあるので、参拝前に神社の案内で確かめておくと安心だ。
桜並木をひとつ抜けるたびに、街の表情が歌劇からマンガへ、高台の社へと移り変わっていく。マチノワ編集部
花のみちを中心に置くと、宝塚は驚くほどコンパクトに歩ける街だとわかる。劇場の華やぎ、手塚マンガの原点、高台の静けさ——半日でこれだけ気分が切り替わる場所も珍しい。なお拝観・開館の時間や入館料は折々で見直されるので、出かける前にそれぞれの公式ページにひと目を通しておくと安心だ。