興福寺
近鉄奈良駅から最も近い世界遺産で、奈良観光の入口にちょうどよい。境内には朱色の中金堂や室町期再建の東金堂(国宝)が建ち、国宝館では阿修羅像をはじめとする天平の名仏がまとめて拝める。シンボルの五重塔は現在、明治以来約120年ぶりの保存修理に入り全体を素屋根で覆っているため当面その姿は見られないが、その分だけ仏像群と伽藍の歴史を間近に味わえるのがいまの興福寺だ。中金堂・東金堂・国宝館は個別拝観のほか共通券もある。拝観料や開門時間は変わることがあるため、訪問前に公式サイトで確認を。
近鉄奈良駅の東に広がる奈良公園一帯は、東大寺・興福寺・春日大社という三つの世界遺産が、芝生と野生の鹿に囲まれて地続きに並ぶ、徒歩で巡れる歴史エリアだ。坂はゆるく、見どころの間隔も近い。対象は、大仏と鹿の両方を一日で押さえたい家族連れや、初めての奈良を効率よく歩きたい観光客。標準は10:00集合・16:00解散の約6時間コースで、拝観料の目安は1人1,500〜2,500円ほど(料金・拝観時間・開山期間は変動するため、訪問前に各施設の公式サイトで最新情報を確認したい)。屋外を歩く時間が長いので歩きやすい靴がよい。ここでは、興福寺のある駅側から東の山手へと自然につながる5スポットを、歩く順番で紹介する。
東大寺大仏殿・南大門・奈良公園の鹿・興福寺・春日大社・若草山。世界遺産と野生の鹿が同じ地続きにある、奈良の歴史を歩く散歩道。
マチノワ編集部
順位ではなく、編集部が選んだ5スポットを順にご紹介します。近鉄奈良駅の東に広がる奈良公園一帯は、東大寺・興福寺・春日大社という三つの世界遺産が、芝生と野生の鹿に囲まれて地続きに並ぶ、徒歩で巡れる歴史エリアだ。坂はゆるく、見どころの間隔も近い。対象は、大仏と鹿の両方を一日で押さえたい家族連れや、初めての奈良を効率よく歩きたい観光客。標準は10:00集合・16:00解散の約6時間コースで、拝観料の目安は1人1,500〜2,500円ほど(料金・拝観時間・開山期間は変動するため、訪問前に各施設の公式サイトで最新情報を確認したい)。屋外を歩く時間が長いので歩きやすい靴がよい。ここでは、興福寺のある駅側から東の山手へと自然につながる5スポットを、歩く順番で紹介する。
近鉄奈良駅から最も近い世界遺産で、奈良観光の入口にちょうどよい。境内には朱色の中金堂や室町期再建の東金堂(国宝)が建ち、国宝館では阿修羅像をはじめとする天平の名仏がまとめて拝める。シンボルの五重塔は現在、明治以来約120年ぶりの保存修理に入り全体を素屋根で覆っているため当面その姿は見られないが、その分だけ仏像群と伽藍の歴史を間近に味わえるのがいまの興福寺だ。中金堂・東金堂・国宝館は個別拝観のほか共通券もある。拝観料や開門時間は変わることがあるため、訪問前に公式サイトで確認を。
興福寺から東大寺へ歩く間そのものが、このスポットだ。芝生の広がる園内には約1,000頭以上の鹿が暮らし、参道や売店のそばで鹿せんべいをねだってくる。ここの鹿は餌付けされたペットではなく国の天然記念物に指定された野生動物で、おじぎのような仕草を見せる一方、せんべいを焦らすと噛んだり頭を突いたりすることもある。袋や地図など紙類を口に入れさせない、急に驚かせない、という距離感が楽しむコツだ。園内にゴミ箱はなく、食べ物のゴミは鹿の誤食を防ぐため必ず持ち帰りたい。入園は無料で、東大寺へ向かう動線にそのまま重なる。
奈良といえばここ、という旅の主役。参道入口の南大門には運慶・快慶らが手がけた高さ8mを超える金剛力士像が左右に立ち、門をくぐるだけなら無料で見上げられる。その奥の大仏殿(金堂)に、像高約15mの盧舎那仏、いわゆる奈良の大仏が座る。正面の幅約57m・棟までの高さ約49mという巨大な木造建築の堂内に入ると、見上げる角度そのものが他では得られない体験になる。柱の根元には大仏の鼻の穴と同じ大きさといわれる穴があり、家族連れが列をつくる名物だ。大仏殿は拝観料が必要で、開門時間は季節により変わる。最新の時間と料金は訪問前に公式サイトで確認を。
奈良公園の東奥、御蓋山のふもとに鎮座する全国の春日神社の総本社。朱塗りの社殿へ続く長い表参道には、奉納された石灯籠が苔をまといながら数千基並び、樹々の間を抜ける光と相まって独特の静けさをつくる。回廊に吊られた釣燈籠の連なりも美しく、東大寺の豪壮さとは対照的なきめ細やかな美が味わえるのがこの社の魅力だ。境内に入って参拝するだけなら自由で、御本殿を中門前から間近に拝む特別参拝は別途初穂料がかかる。東大寺からは公園内を南へたどれば徒歩圏。特別参拝の受付時間や初穂料は変わることがあるため、公式サイトで確認を。
奈良公園の東に芝生でなだらかに覆われた標高342mの山で、一日の締めくくりにふさわしい展望地だ。三つの笠を重ねたような三笠の形が特徴で、ふもとのゲートから入山して芝の斜面を上ると、東大寺大仏殿の大屋根や奈良市街、晴れた日には生駒の山並みまで一続きに見渡せる。山頂付近にも鹿が草を食む姿があり、街を眼下にした稜線歩きはここならではの景色になる。入山は有料で、開山期間(毎年3月第3土曜〜12月第2日曜)と9:00〜17:00という時間が決まっており、冬季や夜間は上れない。当日の開山状況・入山料は訪問前に公式情報で確認しておきたい。
大仏、鹿、朱塗りの社、そして街を見下ろす芝の山。奈良の一日は、駅から東へ歩くだけで完結する。マチノワ編集部
標準動線: 10:00に近鉄奈良駅を出て興福寺の境内を抜け(10:00〜10:45)、参道沿いの鹿に会いながら奈良公園を東へ歩き(10:45〜11:30)、東大寺の南大門で金剛力士像を見上げてから大仏殿に参拝し(11:30〜13:00/昼食を挟む)、午後は春日大社の朱塗りの回廊を巡り(13:30〜14:30)、最後に若草山へ上って奈良の街と公園を一望する(15:00〜16:00)。所要は約6時間、拝観料の目安は1人1,500〜2,500円。駅から山手へ一直線に標高を上げていくので戻りが少なく、世界遺産・野生の鹿・パノラマという奈良の三役を一筆書きで回収できるのがこのルートの魅力だ。注意したいのは、見どころの大半が屋外であること。夏は木陰の少ない参道で日射が強く、帽子と水分が要る。鹿は国の天然記念物の野生動物で、鹿せんべい以外の食べ物や手提げ袋の紙は口に入れさせないこと、急に驚かせないことを守りたい。若草山は開山期間(毎年3月第3土曜〜12月第2日曜)と9:00〜17:00の時間が決まっており、冬季や夕方以降は上れない。雨の日は、若草山を外して屋根のある東大寺ミュージアムや興福寺国宝館に振り替えると、足元を濡らさずに国宝の仏像をじっくり見られる。料金・営業時間・開山期間は変更されることがあるため、訪問前に各施設の公式サイトで確認しておきたい。大仏と鹿に半日で会いたい、初めての奈良を歩く人に向くコースだ。