三宝院庭園
総門を入ってまず右手に現れるのが、この寺の本坊にあたる三宝院だ。表書院の縁に腰を下ろすと、目の前に池泉の庭がひらける。慶長3年の醍醐の花見にあたって秀吉自身が基本設計を引いたと伝わる庭で、刈り込みの曲線と力強い石組みが同居している。視線が吸い寄せられるのは、池のほとりに据えられた藤戸石。歴代の天下人が手元に置きたがったというこの一石が庭の重心になっていて、ただ美しいだけでなく、権力者が石ひとつに込めた執着まで透けて見えてくるのがこの庭の面白さだ。縁先に座ったまま、しばらく動けなくなる。