三光稲荷神社
犬山城がそびえる城山の真下、登城路の入口にあたる位置に鎮座する。境内の銭洗池にはお金を洗うと倍になって戻るという言い伝えがあり、ザルにのせた小銭を御神水ですすぐ参拝者の姿が絶えない。社殿そばに連なるピンクのハート絵馬や朱鳥居の列が写真スポットとして知られ、ここから坂道がそのまま天守へと続く地形なので、城と一緒に立ち寄る順番が自然になっている。
犬山は、木曽川の流れが愛知と岐阜を分ける川辺の町だ。その崖の上に立つ天守は、室町期の姿を今に伝える現存最古級の木造で、城へ向かう一本道の両側には黒い格子の町家が連なる。城・神社・茶室・門前という性格の異なる場所が、徒歩圏にぎゅっと収まっているのがこの町の地形的な面白さである。そこでこの記事では、まず麓の稲荷で参道の空気に体を慣らし、坂を登って天守からの眺めで一日のピークを先に迎え、下りながら茶室・町並み・祭りの記憶へと「高さを下げていく」順路で半日を組み立てた。午前に着いて昼過ぎまで、川風と石段と団子の煙のなかを歩く。
名鉄犬山駅から歩いてまわる、木曽川を望む城と門前の半日
マチノワ編集部
順位ではなく、編集部が選んだ5軒の名店を順にご紹介します。犬山は、木曽川の流れが愛知と岐阜を分ける川辺の町だ。その崖の上に立つ天守は、室町期の姿を今に伝える現存最古級の木造で、城へ向かう一本道の両側には黒い格子の町家が連なる。城・神社・茶室・門前という性格の異なる場所が、徒歩圏にぎゅっと収まっているのがこの町の地形的な面白さである。そこでこの記事では、まず麓の稲荷で参道の空気に体を慣らし、坂を登って天守からの眺めで一日のピークを先に迎え、下りながら茶室・町並み・祭りの記憶へと「高さを下げていく」順路で半日を組み立てた。午前に着いて昼過ぎまで、川風と石段と団子の煙のなかを歩く。
犬山城がそびえる城山の真下、登城路の入口にあたる位置に鎮座する。境内の銭洗池にはお金を洗うと倍になって戻るという言い伝えがあり、ザルにのせた小銭を御神水ですすぐ参拝者の姿が絶えない。社殿そばに連なるピンクのハート絵馬や朱鳥居の列が写真スポットとして知られ、ここから坂道がそのまま天守へと続く地形なので、城と一緒に立ち寄る順番が自然になっている。
天文6年(1537年)の築造と伝わり、現存する木造天守のなかでも古い様式を残す。見どころは最上階を囲む回縁で、欄干に出ると眼下を木曽川が流れ、対岸の岐阜・各務原から濃尾平野までが一望できる。川がそのまま天然の堀になる断崖の上に建つ立地は、登ってみて初めて腑に落ちる類のもので、急で狭い階段を自分の足で上がるからこそ城の高さが体感できる。
織田信長の弟で茶人として知られた織田有楽斎が建てた茶室・如庵を中心とする庭園で、如庵は現存する国宝の茶室のひとつ。三畳台目という小さな席に、有楽窓と呼ばれる竹を並べた連子窓から差す光が独特の陰影をつくる。城の階段を上がってきた直後にこの静かな草庵へ入ると、同じ「国宝」でも天守の豪壮さとは正反対の、にじり口越しの親密な空間美に気づける。呈茶で一服いただけるのもここならでは。
城の大手から名鉄犬山駅方向へまっすぐ南北に延びる目抜き通りで、黒格子の町家が軒を連ねる。江戸期の城下の地割りがほぼそのまま残り、通りの正面に天守が見える「城が見える参道」のような構図が歩いていて楽しい。串に刺した田楽や五平餅、団子といった門前の食べ歩きが沿道に並ぶので、城・茶室で使った時間のあとに、ここで腰を据えず立ち食いで昼を済ませる組み立てがちょうどよい。
毎年4月の犬山祭で曳かれる三層の車山を、実物のまま屋内に展示する施設。館名は、車山が城下の辻で180度向きを変える所作「どんでん」に由来する。高さ8メートル・重さ3トンを超す車山を、祭りの当日ではなく天井の高い館内でゆっくり見上げられるのがここの値打ちで、からくり人形を載せた山車の細工を間近で観察できる。祭りの日に来られなくても、町を支える年中行事の姿に触れて半日を締められる。
崖の上の天守から木曽川を見下ろし、坂を下りながら町の時間をさかのぼる半日。マチノワ編集部
10時前後に名鉄犬山駅西口を出て、まず三光稲荷神社で銭洗いと朱の鳥居を抜け、そのまま石段を登って10時半すぎに犬山城天守へ。最上階で木曽川と濃尾平野を見渡したら、城を出て東どなりの有楽苑へまわり、正午前に国宝茶室・如庵と庭をひとめぐりする。昼は本町通りに戻って田楽や五平餅をつまみながら町家の通りを下り、最後にどんでん館で犬山祭の三層車山を間近に見て、14時前後に駅へ戻る流れだ。拝観料や呈茶・各館の時間は時期で動くので、出かける前に犬山観光ナビや各施設の公式ページで最新を一度たしかめておくと安心できる。