名古屋城
徳川家康が天下普請で築かせた尾張徳川家の居城で、屋根に載る金鯱は江戸期から名古屋の象徴であり続けてきた。鉄筋コンクリートで再建された大天守は耐震上の理由で内部の立ち入りが止まり、木造復元に向けた整備が進む段階にあるため、いまは堀ばたや本丸広場から外観と金鯱を仰ぐ形になる。逆に言えば、足場の組まれていない時期なら、天守の全体像と石垣の反りを一枚におさめる時間でもある。開門は9時、閉門は時期で異なるので、城内は広い分、朝のうちに入っておきたい。
堀の向こうに反り上がる石垣、屋根の両端でまばゆく光る金の鯱。名古屋城のまわりは、城そのものだけでなく、城に背を向けても歩いて回れる濃い一帯だ。よみがえった本丸御殿の障壁画から、緑の広がる名城公園、そして城を真似て屋根を載せた昭和の官庁建築まで――半日あれば、武家の格式と近代名古屋の見栄が地続きであることが体でわかる。この記事は午前のうちに城へ入り、御殿でいったん時を遡り、午後はゆるやかに北へ抜けて公園と街並みへ視線を移していく道筋で組み立てた。
NAGOYA CASTLE|名古屋・名城
マチノワ編集部
順位ではなく、編集部が選んだ5軒の名店を順にご紹介します。堀の向こうに反り上がる石垣、屋根の両端でまばゆく光る金の鯱。名古屋城のまわりは、城そのものだけでなく、城に背を向けても歩いて回れる濃い一帯だ。よみがえった本丸御殿の障壁画から、緑の広がる名城公園、そして城を真似て屋根を載せた昭和の官庁建築まで――半日あれば、武家の格式と近代名古屋の見栄が地続きであることが体でわかる。この記事は午前のうちに城へ入り、御殿でいったん時を遡り、午後はゆるやかに北へ抜けて公園と街並みへ視線を移していく道筋で組み立てた。
徳川家康が天下普請で築かせた尾張徳川家の居城で、屋根に載る金鯱は江戸期から名古屋の象徴であり続けてきた。鉄筋コンクリートで再建された大天守は耐震上の理由で内部の立ち入りが止まり、木造復元に向けた整備が進む段階にあるため、いまは堀ばたや本丸広場から外観と金鯱を仰ぐ形になる。逆に言えば、足場の組まれていない時期なら、天守の全体像と石垣の反りを一枚におさめる時間でもある。開門は9時、閉門は時期で異なるので、城内は広い分、朝のうちに入っておきたい。
空襲で焼失した近世書院造の最高格の御殿を、史料と古写真をもとに約10年かけて忠実によみがえらせた建物で、現在は全体が公開されている。竹林に虎や豹を描いた玄関(虎之間)の障壁画や、檜の香が残る上段之間の格天井は、復元でありながら職人の手仕事の密度がそのまま伝わる。順路は一方通行で立ち止まりにくいため、開門直後に入って静けさのうちに見るのが御殿の見方として理に適っている。入場は名古屋城の観覧料に含まれる。
城の北に広がる園地で、もとは尾張藩の御深井御庭(おふけごてん)があった一帯にあたり、いまもおふけ池や藤の回廊が往時の名残をとどめる。芝生越しに天守の上部がのぞく構図は、城の中からでは得られないこの公園ならではの眺めだ。園内の複合施設tonarinoにはカフェやベーカリーが入り、ランニングの拠点にもなっているので、御殿でたまった足の疲れをここで抜くとよい。入園は自由。
1938年完成の県庁舎で、鉄筋コンクリートの近代建築に城のような瓦屋根を載せた帝冠様式の代表例として2014年に国の重要文化財へ指定された。隣の名古屋城を意識して設計されたと言われ、堀ばたから見ると本物の城と「城に似せた庁舎」が一枚の視界に収まる。現役の官庁なので内部は業務時間帯に限られるが、外観だけでも当時の名古屋が抱いた都市の威信が読み取れる。公開日や立ち入り範囲は時期で変わるため、見学を考えるなら事前に県の案内で確かめておきたい。
1933年竣工の市庁舎で、県庁とともに国の重要文化財に指定されている。屋根に和風の意匠を載せた点は隣の県庁と通じるが、こちらは中央の時計塔が特徴で、その頂には東西南北をにらむ四方睨みの鯱が据えられている――城の金鯱を一日の終わりにもう一度、形を変えて見ることになる。県庁とは目と鼻の先なので、二棟を並べて昭和初期の名古屋が選んだ「城に倣う」流儀を比べてから駅へ抜けると、コースがきれいに閉じる。
金の鯱は遠くからでも目に入る。だが御殿の床に座って見上げる天井の方が、ずっと長く記憶に残る。マチノワ編集部
9:00すぎ、東門から名古屋城へ。まずは天守を正面に望む広場で金鯱の輝きを確かめ、9:30には本丸御殿へまわって玄関・表書院の障壁画に見入る。御殿を出て本丸・二之丸の石垣をたどり、11:00ごろに城の北側へ。名城公園駅側へ抜けたら、12:00前後はおふけ池ぞいの木陰やtonarinoでひと休み。午後は来た道を少し戻り、13:30に三の丸へ。城を写したような帝冠様式の愛知県庁本庁舎と、時計塔に鯱を載せた名古屋市役所本庁舎を見上げて、14:00過ぎに名古屋城駅から地下鉄へ戻る。観覧料や開園時間、各施設の公開状況は時期や催事で動くので、出発前に名古屋城および各施設の公式サイトでその日の条件をひと目たしかめておくと安心だ。