マチノワ · 2026年 春号
2026-08-05
KISUGE NO SATO KYOSUIAN

日光今市、道の駅に宿る手打ち蕎麦。
きすげの郷 蕎粋庵で知る、地粉と名水の一杯

今市という地名は、日光へ向かう旧街道の宿場として長く機能してきた場所だ。東武日光線の下今市駅とJR日光線の今市駅がほぼ並んで位置し、観光客が乗り換えの拠点として使う街でもある。その今市の市街地に、全国的にも珍しい形態の施設がある——道の駅「日光街道ニコニコ本陣」だ。郊外の幹線道路沿いに作られるのが一般的な道の駅だが、ここは駅から徒歩5分という住宅・商業エリアの中に立地している。その建物の中に、きすげの郷 蕎粋庵はある。日光産のそば粉と今市に湧く名水を合わせ、毎日店内で打つ二八手打ちそばを提供する蕎麦処だ。炭を練り込んだオリジナルの炭そば、栃木の郷土食として知られるちたけを使った蕎麦、葉わさびを乗せた一杯など、日光という土地の食材と文化に根ざしたメニューが並ぶ。観光客から地元の昼食利用まで、今市という街の重層的な顔がここに集まっている。

副題

栃木・日光市今市 / 手打ちそば / ランチ・日光観光の昼食

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マチノワ編集部

栃木・日光市今市 / 手打ちそば / ランチ・日光観光の昼食編集部厳選KISUGE NO SATO KYOSUIAN5 POINTS2026年 春号栃木・日光市今市 / 手打ちそば / ランチ・日光観光の昼食編集部厳選KISUGE NO SATO KYOSUIAN5 POINTS2026年 春号
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POINT5

栃木・日光市今市

編集部が選んだ5つのポイントを順にご紹介します。今市という地名は、日光へ向かう旧街道の宿場として長く機能してきた場所だ。東武日光線の下今市駅とJR日光線の今市駅がほぼ並んで位置し、観光客が乗り換えの拠点として使う街でもある。その今市の市街地に、全国的にも珍しい形態の施設がある——道の駅「日光街道ニコニコ本陣」だ。郊外の幹線道路沿いに作られるのが一般的な道の駅だが、ここは駅から徒歩5分という住宅・商業エリアの中に立地している。その建物の中に、きすげの郷 蕎粋庵はある。日光産のそば粉と今市に湧く名水を合わせ、毎日店内で打つ二八手打ちそばを提供する蕎麦処だ。炭を練り込んだオリジナルの炭そば、栃木の郷土食として知られるちたけを使った蕎麦、葉わさびを乗せた一杯など、日光という土地の食材と文化に根ざしたメニューが並ぶ。観光客から地元の昼食利用まで、今市という街の重層的な顔がここに集まっている。

POINT01
手打ちそば・日光産素材 · 日光市今市

地粉と名水から生まれる、二八手打ちの腰と風味

蕎粋庵の蕎麦は、日光産のそば粉と今市の名水を使った二八手打ちだ。そば粉8割、つなぎ2割の二八は手打ちの中でも標準的な配合だが、素材の質がそのまま味に直結する。地元産のそば粉を自家製粉しているという点が、他の蕎麦処との差につながっている。日光は気候が冷涼で、そば粉の産地として条件が整っている。製粉したての粉で打つそばは、乾燥させた粉を仕入れて打つものとは香りが違う。名水を使うのも、水がそばのつなぎに与える影響を知ってのことだ。今市には古くから湧水が豊富で、水の良さが地元の食文化を形成してきた歴史がある。この店の蕎麦は「コシが強い」という評が複数の媒体で確認できる。腰の強さとつゆの旨みが合わさった一杯が、この店の軸だ。蕎麦は量が品切れになり次第終了するため、食べることを目的に来るなら昼の早い時間に入るのが確実だ。日光という観光地が近いため午後になると混み合うことがあり、品切れのリスクも高まる。「この日光産の一杯」を目当てに来るなら、開店直後の11時台を狙う方が安心だ。

種類二八手打ちそば(日光産地粉・名水使用・自家製粉)
提供時間11:00〜18:00(L.O.17:30)品切れ次第終了
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POINT02
炭そば・オリジナルメニュー · 日光市今市

炭を練り込んだ黒い蕎麦——日光発のオリジナル一品

炭そばは、蕎粋庵のオリジナルメニューだ。竹炭を練り込んで打った黒い麺は、見た目のインパクトが強い。炭そばを提供する蕎麦店は全国でも数が少なく、日光市内ではこの店がこのメニューを確立した場所として知られている。竹炭を混ぜることによる劇的な味の変化というより、そば本来の風味の中にわずかに異なるテクスチャーと、見た目の新鮮さがある一杯だ。黒い麺とつゆの組み合わせは写真に残しやすく、日光観光の記録として「今市で炭そばを食べた」という体験として定着しやすい。道の駅という立地上、観光の途中に立ち寄る人が多いため、インパクトのある一品が旅の記憶に刻まれやすい。炭そばは単品メニューとして注文できるほか、御膳セットに組み合わせることもできる。デザートとして炭そばゼリーも用意されており、食後の一品として選ぶ選択肢もある。炭そばを含めたメニュー構成は時期や在庫によって変わる場合があるため、来店前に店(0288-25-5778)へ確認しておくのが確実だ。

特徴竹炭練り込みの黒い手打ちそば(日光市内では希少なオリジナル)
派生炭そばゼリー(デザート)も提供
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POINT03
郷土料理・栃木の食材 · 日光市今市

ちたけ・葉わさび・ひたしそば——栃木の食文化が並ぶメニュー構成

ちたけそばは、栃木県の郷土料理のひとつだ。チチタケ(乳茸)は夏から秋にかけて栃木の山間部に自生するキノコで、独特の旨みとぬめりが特徴とされる。これをだしに使ったつゆで食べる蕎麦は、栃木県民にとって夏の終わりに食べる一杯として親しまれてきた食文化だ。蕎粋庵ではこのちたけそばをメニューに据えており、観光客が日光・今市という土地の食文化に触れられる一杯になっている。葉わさびそばは、日光周辺でわさびの栽培が盛んであることと地続きのメニューだ。日光は清流が多く、わさびの産地として知られており、葉わさびの香りと辛みが蕎麦に加わった一品は、この地域らしさを持つ。日光ひたしそば(つゆ温)は、そばをつゆに浸して食べるスタイルで、温かいつゆとそばの相性を楽しむ形式だ。御膳メニューも用意されており、蕎麦に複数の小鉢や副菜が付いた形でゆっくり食べることができる。価格はそば単品が980円前後から、御膳で2,350円〜2,800円程度と幅がある。メニューと価格は時期によって変動することがあるため、訪れる前に最新情報を確認しておきたい。

郷土メニューちたけそば・葉わさびそば・日光ひたしそば(つゆ温)
価格帯そば単品 980〜1,410円程度、御膳 2,350〜2,800円程度
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POINT04
店内環境・施設対応 · 日光市今市

座敷・バリアフリー・多言語対応——道の駅だからこそ整った受け入れ体制

蕎粋庵は道の駅「日光街道ニコニコ本陣」の施設内にある。道の駅としての整備が入っているため、バリアフリー対応が充実しており、車いすでの入店とトイレ利用が可能だ。高齢者や車いすを使う方を連れての来店でも、施設としての受け入れ体制が整っている。日光エリアの観光施設の中でも安心できる条件のひとつだ。席数は36〜40席で、座敷席もある。座敷は家族連れや年配の方がゆっくり過ごしやすい席形式だ。貸切は20〜40名規模で対応しており、地域の会食や団体旅行の昼食にも使える規模感がある。多言語対応という点では、英語・中国語・韓国語のメニューが用意されており、インバウンド観光客が多い日光エリアの実情に合わせた整備がされている。道の駅という特性上、施設共有の無料駐車場が50台分確保されており、車でのアクセスを前提とした旅行者も利用しやすい。全面禁煙で、クレジットカード決済も可能だ。子連れも可で、ファミリーでの昼食利用を想定した環境が整っている。日光観光が活発になる秋の紅葉シーズンは混み合うため、開店直後か平日の来店が落ち着いて食べやすい。

バリアフリー車いす入店・トイレ利用可
多言語対応英語・中国語・韓国語メニューあり
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POINT05
アクセスと周辺動線 · 日光市今市

下今市駅・今市駅から徒歩5分——日光観光と組み合わせる立地

住所は栃木県日光市今市733-1、道の駅日光「日光街道ニコニコ本陣」内。東武日光線の下今市駅と、JR日光線の今市駅のどちらからも徒歩5分以内でアクセスできる。車の場合は東北自動車道今市ICから約3分と近く、施設共有の無料駐車場が50台分ある。下今市駅はSL「大樹」の起点として知られる駅でもあり、SL見学や乗車の前後に蕎麦を食べる動線も組みやすい。日光東照宮やいろは坂、奥日光方面への観光は下今市から乗り換えて向かうのが一般的なルートのため、観光の行き帰りに立ち寄れる位置関係にある。特に午前中に観光を終えて今市まで戻り、昼食に蕎麦を食べるという流れが自然だ。日光の紅葉シーズン(10〜11月)は周辺全体の混雑が増すため、昼の早い時間に入るか、ピーク時を外した平日来店が蕎麦にも座席にも余裕が出る。定休日は第3火曜日で、道の駅の休業日に準じる場合もある。営業時間は11:00〜18:00(L.O.17:30)。来店前に電話(0288-25-5778)で最新の営業情報を確かめてから向かいたい。

アクセス東武日光線 下今市駅 徒歩5分 / JR日光線 今市駅 徒歩5分 / 今市IC 車3分
定休日第3火曜日(道の駅休業日に準ずる)
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編集部のひとこと
今市という街は、日光観光の乗り換え地点として通過されがちだが、蕎粋庵に来るとその先にあるものが見えてくる。日光産の地粉と名水で打った二八手打ち、炭そばというオリジナルの一杯——旅の立ち寄りが、食事として完結する場所がここにある。
マチノワ編集部
編集後記

最後に、歩き方

下今市駅を出て道の駅の方向に歩いてみると、今市という街の日常的な空気が感じられる。観光客が多く集まる日光東照宮や奥日光の玄関口でありながら、ここは地元の商業・住宅エリアの中に立つ施設だ。蕎粋庵に入るなら、混雑を避けて11時の開店直後か、14時以降の落ち着いた時間帯が入りやすい。そばは品切れ次第終了のため、昼の遅い時間に来ると選択肢が限られることがある。一人で来る場合はそば単品一杯とデザートの炭そばゼリーを合わせる組み立てが収まりいい。2〜3名のグループなら、ちたけそば・葉わさびそば・炭そばをそれぞれ注文してテーブルで比べながら食べると、今市という場所の食材の広がりが分かる。ゆっくり時間をかける場合は御膳を選ぶと、蕎麦に副菜が付いた状態でひと通り楽しめる。日光を一日かけて観光する行程なら、午前中にいろは坂や東照宮を回り、今市まで戻ってここで蕎麦を食べ、夕方の電車で帰るという流れが収まりいい。車での旅行なら今市ICから近いので、高速を降りて昼食を済ませてから日光に向かう順番も効率がいい。座敷もあり、子連れや高齢者との旅行にも対応している。営業時間やメニュー内容は変更される場合があるため、訪れる前に店(0288-25-5778)に確認しておくのが安心だ。

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