十七年食べ続けた末の、炭火の一本
この店の核は、店名がそのまま掲げている炭火と焼き鳥だ。店主は十七年のあいだ、ほぼ毎日のように焼き鳥を食べ続けてきたという。客として数えきれない一本を口にし、どこがうまくてどこが惜しいのかを舌で覚え、その積み重ねの先に自分の焼き鳥をかたちにした。だから華艶の一本は、思いつきで組まれた味ではなく、長く食べ手であり続けた人が出す答えに近い。焼きは炭火で、串を一本ずつ炭の上にかざし、火の遠近と返す間合いで肉の通り具合を決めていく。ガスの一律な熱とは違い、炭は表面を香ばしく締めながら中に火を入れていくので、噛んだときの香りと肉汁の出方が変わる。食べ手の経験が長いぶん、塩や火の入れ方も「自分が食べてうまいと思える線」で引かれているのが伝わってくる。焼き鳥を主役に据えて出かけるなら、まずはこの一本から店の考え方を確かめたい。