自家栽培米から始まる寿司——土蔵熟成コシヒカリとイオン活性水
毘沙門寿司が「お米から作る寿司屋」を名乗るのは、米の栽培そのものから関わっているからだ。越前東郷地区の水田で有機肥料と減農薬栽培を組み合わせた特別栽培を行い、収穫したコシヒカリを店の土蔵で1年以上寝かせてから使う。「熟成」のプロセスは一般的な精米流通では省かれる工程で、新米特有の余分な水分が土蔵でゆっくりと抜けることで、炊き上がったときの米粒の立ち方と粘りのバランスが変わる。炊く際はイオン活性水を使うと公式サイトに記されており、素材と水の両面にこだわりを重ねてきたことが見えてくる。こうした積み重ねの結果として生まれる酢飯は、棒寿しの素材と合わさったときにその真価を発揮する。東郷という米どころの土地条件が、この店の寿司の根幹を支えているとも言える。ひとくち食べたときに「米が違う」と感じた人の感想が口コミに残るのは、こうした背景があるからだ。