一品ずつ手をかける、だしと揚げの仕事
一食一笑 小鉄の料理は、一品ずつ手をかけて仕上げるところに芯がある。看板になっているのは、衣の軽い手羽唐、ハート型に巻いただし巻き、脂ののった西京焼き、燻製をかけたポテトサラダといった、居酒屋の定番をひとひねりした肴だ。串カツや揚げ物も用意され、海鮮居酒屋らしく刺身も並ぶ。だし巻きはだしを含ませてふっくらと焼き上げ、西京焼きは味噌にじっくり漬けてから火を入れる——どれも、出来合いを温め直すのではなく、その場で仕立てる手間のかかる仕事だ。燻製ポテサラのように、定番に小さな工夫を重ねた一皿があるのも、肴を選ぶ楽しさにつながる。酒が進む味の置きどころを一品ずつ押さえていく作りだから、気負わず通える。何を頼むか迷ったら、だし巻きと手羽唐を軸に、その日の刺身を一皿添えるところから始めると、この店の手の入れ方が伝わってくる。