赤身肉を置かない、牛の内臓だけに振り切ったホルモン
ヤマビコホルモンの芯にあるのは、店名どおりのホルモンだ。ただし焼肉店にありがちなカルビやロースといった赤身肉は一切扱わず、牛の内臓だけに絞り込んでいる。この潔い割り切りが、まず他の焼肉店と一線を画す。軸になるのは日替わりで七種類以上をそろえるホルモンの盛り合わせで、その日に状態のいい部位を見極めて組むため、訪れるたびに顔ぶれが少しずつ変わる。ハツやマルチョウ、ギアラ、ハチノスといった部位ごとの食感や脂ののりの違いを、一皿で食べ比べられるのがこの盛り合わせの面白さだ。ホルモンと聞くと「噛みきれない」「臭いが残る」という記憶を持つ人は少なくないが、この店はそのイメージを覆すことを目標に掲げ、丁寧な下処理で内臓本来の旨みだけを引き出そうとしている。だから内臓が苦手だと思っていた人ほど、ここで印象が変わる余地がある。何を頼むか迷ったら、まずは盛り合わせを一皿。それがこの店の世界観をいちばん素直に受け取る入口になる。