高級備長炭で焼き上げる、妻地鶏ももの炭火焼き
とりえもんの主役は、宮崎の地鶏だ。なかでも看板に据えられているのが、妻地鶏のももを高級備長炭で焼き上げた一皿。備長炭は火力が安定して遠赤外線が強く、表面を一気に焼き固めながら中の旨みを閉じ込める。炭火で立ちのぼる香ばしさと、噛むほどに出てくる地鶏特有の弾力――それを目当てに席に着く人は多い。宮崎は地鶏の炭火焼きが郷土料理として根付いた土地で、強い炭火で一気にあぶり、黒く焦げ目のついた状態で供するのが土地の流儀とされる。その焦げ目ごと頬張ったときの香ばしさは、県外から来た人にとっても宮崎らしさを最も感じる瞬間だろう。とりえもんはその王道を、立ち飲みでも座敷でも気軽に頼める形で出している。一人で来て、まず炭火焼きを一皿と焼酎を一杯から始める――そんな入り方がしっくりくる店だ。地鶏のメニューは部位や調理で幅があるので、その日の品書きを見ながら、炭火焼きを軸に少しずつ広げていくのがいい。