おばんざいという、家の延長線にある料理
店名にある「おばんざい」は、京都で家庭の常備菜を指す言葉だ。煮物、和え物、漬物、焼き魚、味噌汁といった、毎日繰り返し食卓に並ぶような料理を指す。のりっぺが掲げているのは、まさにそうした家庭料理の世界観だ。レンコンのきんぴら、豚バラ大根、玉子焼き、自家製の浅漬けといった副菜が、定食や夜の卓に静かに並ぶ。札幌の繁華街・すすきので食べるような華やかな会席や、観光地的な海鮮丼とは別の軸にある料理だ。むしろ、自分の家ではなかなか手間をかけて作れない、けれど毎日食べても飽きない料理。そういう位置取りの店だと考えるとわかりやすい。家庭料理を外食として選ぶ理由は何かといえば、自分で作る手間が省けるだけでなく、誰かが作ってくれた湯気の立つ料理を食べる時間そのものが、ささやかな安心になるからだ。北11条東で、その役回りを担っているのがのりっぺという店なのだと思う。