奥美濃古地鶏を炭火で焼く、串の一本目から
店名の頭に置かれているのは鳥のほうだ。使うのは奥美濃古地鶏。岐阜県で育てられた地鶏を、炭火で焼いていく。ぽんじり、皮、心臓といった部位ごとの串が並び、鶏以外では豚バラも焼き台に乗る。炭火は火力が立ち上がるのが早く、表面を短い時間で締めながら中まで火を通せるため、脂の多い部位ほど焼き手の判断が出る。ぽんじりのように脂が主役になる部位を早い段階で頼んでおくと、この店の焼き方の輪郭がつかみやすい。串だけで完結しない構成になっているのも特徴で、鶏モツ煮、明石焼き風の出汁巻き玉子、テリヤキ味のポテトサラダといった一品が用意されている。串が焼き上がるまでの間を埋める役割もあるが、それ以上に、二時間ほどの滞在を組み立てるための部品として効いてくる。焼鳥のカウンターでは、注文の順番がそのまま夜の流れになる。軽い一品から入り、串を重ね、途中で刺身を挟み、最後に麺か飯で締める——その全部がこの一軒の中で完結する。