円錐の海苔に飛騨牛。味付けを三種から選ぶ手巻き寿司
飛騨あっぽの中心にあるのは飛騨牛手巻き寿司だ。円錐に巻いた海苔の中に酢飯を敷き、その上に飛騨牛をのせる。名前は寿司だが、食べる感覚としては寿司と肉料理の中間にある。片手で持てて歩きながらでも食べられる形をしていながら、中身は牛肉である。街歩きの途中で立ち寄って、これ一本で肉をちゃんと食べたという実感が残るのは、この形式ならではだ。選べるのは味付けで、特製ダレ、塩コショウ、ねぎ塩だれの三種類から指定する。これが地味に効く。タレは甘辛さで酢飯と噛み合う方向、塩コショウは肉の脂と香りをそのまま前に出す方向、ねぎ塩だれはその中間で後味を軽く抜く方向。同じ具材でも、選んだ味で食べ心地がはっきり変わる。二人で来て別々の味を頼めば、それだけで食べ比べが成立してしまう。サイズはシングルとダブルの二段階。軽く一本つまんで次の店へ向かうならシングル、これで昼を済ませるつもりならダブル、という選び方になる。街歩きに挟むのか、ここで食事にするのか——同じ一品で両方に対応できるのは、古い町並みの中心に立つ店として実によく考えられた設計だと思う。なお価格は改定されることがあるので、店頭の掲示か電話で確かめてから注文したい。