生簀の貝と、数え切れない品書き
カウンターの奥に生簀がある。ガラスの向こうで伊勢エビが動き、はまぐり、サザエ、殻付つぶ貝、牡蠣が並ぶ。値札はその上に吊るされた短冊に手書きで、その日の値段が下がっている。水槽を置く居酒屋は珍しくないが、遊民の場合はそれが品書きそのものとして機能している。刺身は盛り合わせが三点・五点・七点と選べて1,620円から。十月から四月にはずわいがにの皿盛りが加わり、まぐろのかまトロ、馬刺し、牛の炙りユッケ、千枚刺しまで並ぶ。刺身だけで三十種類という数え方を店はしている。そして品書きはそこで終わらない。揚げ物、串焼き、焼き物、サラダ、チーズ料理、バター料理、納豆料理、鉄板料理——地元の情報サイトが数えたところ、総数は237種類を超えていた。串焼きは百八円から始まり、天ぷらの盛り合わせが1,059円。ジャンボ牛ステーキ串や豚カルビ串のような、腹に来る一本も用意されている。何年通えば全部食べ切れるのかと書かれたのも、無理はない。