マチノワ · 2026年 春号
2026-09-02
ENGI SAITAMA UDON

さいたま市桜区の
延喜で、冬の一杯。

南与野駅から北へ歩き続ける下見板張りの一軒家が、延喜だ。埼玉県産の小麦粉で毎日仕込む手打ちうどんの店で、冬から春先の朝暮れが冷える季節に、グツグツ煮えたぎるカレーの出汁にうどんを浸して食べる、その光景がこの一軒の核になっている。かつて日本カレーうどん協会が主催した甲子園で東日本地域の金賞を獲得した欧風カレーは、スパイスの香りが奥行きを持ち、単なる温かさ以上の満足をもたらす。武蔵野うどんの太さと食感を理解し、その上でどう味わうかを考え抜いた一杯の形が、延喜のカレーつけ麺にはある。さいたま市の住宅地の中で、地粉の手打ちと欧風カレーがどう結ばれるのか。その驚きは、駅から23分歩いて辿り着いた先にある。

副題

武蔵野うどんと欧風カレーが生む、さいたま市の手打ち専門店

編集

マチノワ編集部

武蔵野うどんと欧風カレーが生む、さいたま市の手打ち専門店✦編集部厳選✦ENGI SAITAMA UDON✦5 POINTS✦2026年 春号✦武蔵野うどんと欧風カレーが生む、さいたま市の手打ち専門店✦編集部厳選✦ENGI SAITAMA UDON✦5 POINTS✦2026年 春号✦
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POINT5

武蔵野うどんと欧風カレーが生む、さいたま市の手打ち専門店。

編集部が選んだ5つのポイントを順にご紹介します。南与野駅から北へ歩き続ける下見板張りの一軒家が、延喜だ。埼玉県産の小麦粉で毎日仕込む手打ちうどんの店で、冬から春先の朝暮れが冷える季節に、グツグツ煮えたぎるカレーの出汁にうどんを浸して食べる、その光景がこの一軒の核になっている。かつて日本カレーうどん協会が主催した甲子園で東日本地域の金賞を獲得した欧風カレーは、スパイスの香りが奥行きを持ち、単なる温かさ以上の満足をもたらす。武蔵野うどんの太さと食感を理解し、その上でどう味わうかを考え抜いた一杯の形が、延喜のカレーつけ麺にはある。さいたま市の住宅地の中で、地粉の手打ちと欧風カレーがどう結ばれるのか。その驚きは、駅から23分歩いて辿り着いた先にある。

POINT01
手打ちうどん · さいたま市桜区上大久保

毎日仕込む地粉100%の手打ちうどん、その太さと食感の理由

延喜が使う小麦粉は100%埼玉県産だ。毎朝、この粉を水で仕込み、夜に麺を打つというサイクルが廿年以上続いている。武蔵野うどんの伝統に倣い、太めに打たれたうどんには歯応えがある。一本一本が指の太さくらいの存在感を持ちながら、嚙むと弾力でほぐれていく食感は、土地の粉から生まれる特性だ。盛り蕎麦のように冷たい汁で食べる日もあれば、温かい肉汁をかけて食べる日もあるが、そのどちらを選んでも、この麺の太さと食感に向き合うことになる。単なるうどん屋ではなく、埼玉の粉の味を知ってほしいという意思が、毎朝の仕込みに込められている。つけ出汁が何であれ、この麺の力強さがあってこそ、店として立ち上がっている。毎日の手打ちは無駄なく、賞味期限の概念の中で日々更新される。その新鮮さが、午後3時に麺がなくなる営業の背景にある。

素材埼玉県産小麦粉100%、毎日手打ち
特徴太めで歯応えのある武蔵野うどん
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POINT02
カレーうどん・つけ麺 · さいたま市桜区上大久保

日本カレーうどん甲子園金賞の欧風カレーと、チゲ鍋の温かさ

延喜のカレーつけ麺は、チゲ鍋で提供される。土鍋の中でグツグツと煮えたぎっているその光景が、店に入ってすぐ目に入る。欧風カレーと銘打つこのつけ出汁は、スパイスの香りが前面に出ており、単なる温かさ以上の仕事をしている。カレー粉の香ばしさとターメリックの奥行き、そこに隠れた唐辛子の辛さが一杯に混在し、一度嚙み始めると止められなくなる中毒性がある。太めの麺をつけ汁に浸す時間、その数秒の間に汁が麺の芯まで浸透し、歯応えを残しながら味わうバランスが、この店の職人仕事だ。季節限定で冷汁うどんも登場するが、真価を発揮するのはやはり秋口から春先まで、このカレーつけ麺を指名してくる客が圧倒的に多い理由も納得できる。テーブルに運ばれてきた瞬間の湯気と香りに、わざわざこの店を訪ねてきた理由を感じられる。冬の夕方、退勤時間帯にこのチゲ鍋を前にすれば、南与野からの23分の歩行がすべて報われる瞬間だ。欧風カレーの香りは、さいたま市の街を歩む間の疲労を、一瞬で消し去る力を持っている。

名物欧風カレーつけ麺(チゲ鍋)、日本カレーうどん甲子園東日本金賞受賞
季節メニュー冷汁うどん、肉汁うどん、ぶっかけうどんなど
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POINT03
うどん・ドリンク · さいたま市桜区上大久保

豊富なうどんメニューと、日本酒・焼酎のラインアップ

メニューは想像より幅広い。定番のカレーつけ麺のほか、温かい肉汁をかけたうどん、冷たい汁で食べるぶっかけうどんや盛り蕎麦、季節限定で冷汁うどんなど、通年で7〜8種類の選択肢がある。麺の質が揃っているので、どれを選んでも大きな外れはない。月によってメニューが少し変わることもあるので、通い込む客は「今月は何が出ているか」を確認しながら訪ねる楽しみを持っている。また、この店は居酒屋的な側面も強く、日本酒と焼酎の品揃えが充実している。特に焼酎は複数の銘柄を取り揃えており、夜間営業(金・土・日の17時から21時)を活用して、ドリンクをメインに来る客も多い。うどんをつまみにしながら、地元の焼酎を夜の一杯に選ぶ、そういう使い方も珍しくない。営業時間の設定を見れば、昼と夜で客層が明確に分かれていることが理解できる。昼食の相場は1,500円から2,000円ほど、夜の飲み会なら3,000円前後でドリンク込みという価格帯も、地元の店としての親しみやすさを作っている。

メニューカレーつけ麺・肉汁うどん・ぶっかけうどん・盛り蕎麦・冷汁うどん等
ドリンク日本酒、焼酎の品揃え充実
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POINT04
店内空間 · さいたま市桜区上大久保

一軒家の温もりと、全席禁煙で落ち着いた店内空間

下見板張りの一軒家の内部は、意外なほど落ち着いている。12席という限定的な席数(カウンター6席、テーブル6席)が、その落ち着きに一役買っている。昼間は仕事帰りのサラリーマンや、この店目当てで来た客が数人、静かにうどんを食べている。全席禁煙なので、食事に集中する環境が整っている。建物自体が一軒家なので、大手チェーン店のような無機質さがなく、個人経営の店らしい人間味が感じられる。オーナーと顔見知りになると、メニューの説明や季節限定の情報をさらに詳しく聞けるようになる。テーブル席とカウンター席の配置が緩やかに分かれているので、一人で来ても複数人で来ても、それぞれが落ち着いて過ごせる。駐車場も店舗前道路の向かい側にあるので、車での来店にも対応している。客層としては、地元の会社帰りのサラリーマンと、わざわざこの地に足を運んだうどん好きが共存している。その小ぶりな席数と静けさが、会話を重ねたい相手との訪問にも、集中して一杯に向き合いたい訪問にも対応する店の性格を作っている。

座席カウンター6席、テーブル6席、計12席
設備全席禁煙、駐車場あり(店舗前道路向かい側)
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POINT05
アクセス・街歩き · さいたま市桜区上大久保

南与野駅からの徒歩動線と、夜間営業の活用法

最寄り駅はJR南与野駅で、西口から北に向かって約23分の歩行時間を要する。決して駅前ではなく、地図を片手に向かうような距離感にあるため、この店に行くと決めてから訪ねることになる。その分、辿り着いたときの店への期待値は高まる。平日(月・火・木)の営業は昼間のみ(11時から15時、ラストオーダー14時30分)となるので、昼食目当てに来るなら平日のスケジュール調整が必要だ。一方、金・土・日は夜間営業(17時から21時、ラストオーダー20時)も行っているので、仕事帰りや夜間の飲み会の候補としても機能する。祝日のみ営業時間が11時25分スタートと少し遅れるため、連休に訪ねるなら事前に確認しておくと安心だ。定休日は水曜日で、これは固定している。所要時間の目安は60分から90分程度、予算は昼間なら1,500円から2,500円程度、夜間はドリンクを含めて3,000円前後が相場だ。麺がなくなり次第営業を終了することもあるので、夜間の訪問なら電話で事前確認(電話番号は公式SNSで確認可能)をしておくと、確実に食べられる。

アクセスJR南与野駅西口から徒歩23分
営業時間月・火・木11:00〜15:00/金・土・日11:00〜15:00・17:00〜21:00、祝日11:25〜15:00、水曜定休
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編集部のひとこと
南与野からの歩道を北に進み、一軒家の暖簾をくぐった先にある延喜。地粉で毎日打つうどんの太さと、その先にあるカレーつけ麺の欧風の香りが、埼玉の住宅地の中でどう響くのか、その意外性に惹かれる客が多い理由が、この店にはある。毎日の手打ちと、季節で変わる出汁の組み合わせが、この店を訪ねる理由を作っている。
マチノワ編集部
編集後記末

最後に、歩き方。

駅から23分という徒歩距離が、この店を『たまには来てみようか』という場所にしている。通勤路ではなく、目的地として選ぶ店だからこそ、訪れたときの満足度も高い。昼間に来るなら、カレーつけ麺とぶっかけうどん、肉汁うどんの三種類から選ぶことになるが、迷ったらカレーつけ麺を軸にすれば間違いない。秋から春先までのシーズン、このチゲ鍋がテーブルに出てきた瞬間の湯気と香りに、わざわざこの距離を歩いてきた理由を感じるはずだ。夜間営業の金・土・日に来るなら、焼酎を一杯頼みながら、うどんをつまみに静かに過ごす過ごし方も面白い。少人数で来るならカウンター席で、複数人なら向かい合うテーブル席で、という選択肢も自然に分かれる。一度来た後は、麺がなくなる前に来るという通常運転が始まるかもしれない。駐車場があるので車でも来られるが、南与野駅からの歩きの中で、この街の空気を少しだけ感じてから店に入る、その導入が延喜という店を理解するのに必要な距離感だと編集部は考えている。地粉の手打ちと欧風カレーの対話が、埼玉の街で続いている。

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