マチノワ · 2026年 春号
2026-09-07
SOSAKU IZAKAYA KYOTO

創作居酒屋
こばやし—季節の顔

阪急西京極駅から南西へ、商店街を抜けて徳大寺という古い地名を冠した路地へ入る。その数分の道のりで、街の色合いは変わる。観光客はほとんど足を運ばない、地元の生活が透けて見える区間だ。そんな場所にある創作居酒屋こばやしは、京都の観光地化した界隈の外側にいる。手打ちではなく「創作」という看板を背負っているのに、やたらと誠実な一軒だ。季節の食材を前に、毎回違う合わせ方を考え、日常で出会う食材を違う角度から見つめ直す。夜間営業だけでなくランチも営むこの店では、朝の食材選びから夜の仕込みまで、迷わない。わざわざこの路地を訪ねる理由が、その日の季節にある。

副題

創作居酒屋 / 京都市右京区西京極 / 誰と行くのか迷わない大人の夜

編集

マチノワ編集部

創作居酒屋 / 京都市右京区西京極 / 誰と行くのか迷わない大人の夜✦編集部厳選✦SOSAKU IZAKAYA KYOTO✦5 POINTS✦2026年 春号✦創作居酒屋 / 京都市右京区西京極 / 誰と行くのか迷わない大人の夜✦編集部厳選✦SOSAKU IZAKAYA KYOTO✦5 POINTS✦2026年 春号✦
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POINT5

創作居酒屋。

編集部が選んだ5つのポイントを順にご紹介します。阪急西京極駅から南西へ、商店街を抜けて徳大寺という古い地名を冠した路地へ入る。その数分の道のりで、街の色合いは変わる。観光客はほとんど足を運ばない、地元の生活が透けて見える区間だ。そんな場所にある創作居酒屋こばやしは、京都の観光地化した界隈の外側にいる。手打ちではなく「創作」という看板を背負っているのに、やたらと誠実な一軒だ。季節の食材を前に、毎回違う合わせ方を考え、日常で出会う食材を違う角度から見つめ直す。夜間営業だけでなくランチも営むこの店では、朝の食材選びから夜の仕込みまで、迷わない。わざわざこの路地を訪ねる理由が、その日の季節にある。

POINT01
創作居酒屋 · 京都市右京区西京極

季節の食材と向き合う、創作の姿勢

創作居酒屋こばやしの料理は、「何でも組み合わせればよい」という安易なものではない。毎日の食材選びから始まり、その日の季節がどんな顔をしているのかを読み取ろうとする店だ。例えば、手作りの豆腐。凝固剤の選び方、塩加減、温度管理。こうした一つ一つの細部が、素材の良さを引き出すか、台無しにするかを決める。また、魚のカルパッチョも、その日に仕入れた白身魚がどんな脂の乗り具合なのか、身がどの程度締まっているのかによって、レモンの量も油の配合も変わる。焼きししとう、地元野菜の天ぷらといった一見シンプルな料理も、火加減と塩のタイミングで全く違う味になってしまう。京都という地で、素材の声を聞きながら料理するということは、日々の細かな調整の積み重ねだ。訪れる度に、昨日の自分たちより一歩前に進もうとする姿勢が感じられる一軒だ。

料理手作り豆腐・カルパッチョ・焼きししとう・季節野菜の天ぷら
こだわり化学調味料を使わない、素材主義の創作
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POINT02
京料理的な思考 · 京都市右京区

日常の食材から見えてくる創意工夫

創作料理というと、どうしても「やたらと新しい組み合わせ」「衝撃的な取り合わせ」といったイメージが先行する。しかし、こばやしが目指しているのは別の方向だ。むしろ、日常で当たり前に使われている食材を見つめ直す料理が並ぶ店だ。例えば、ししとうは家庭の野菜炒めに登場する普通の野菜だが、塩焼きにしてみるとどうなるのか。地元の野菜の天ぷらは、外食では「高級な揚げ物」に分類されることが多いが、この店ではそれが食卓の当たり前を再構成する行為になっている。豆腐にしても、毎日食べる食材だからこそ、手作りであることの価値が分かる。創作というより「再発見」の料理、そう呼んだ方がしっくり来る一軒だ。食べ手も毎回新しい発見を約束される。それが、何度も足を運ぶ理由になる。

メニュー特徴季節で変わる創作アプローチ
通う人食材の本質を知りたい、常連の大人
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POINT03
時間帯で色が変わる · 西京極

ランチから夜まで、時間帯で変わる立場

創作居酒屋こばやしは、ランチとディナーでは店の立場が変わる。ランチは11時30分から15時まで営業し、平均800円という価格帯で提供される「一汁三菜プレート」を軸としている。つまり、この時間帯では「食事の場」としての役割を優先させているのだ。限定10食という制限もあり、昼時の限られた時間を大切にしている姿勢が伝わる。一方、18時から営業するディナーでは、平均3500円の単価で、多様な創作メニューが並ぶ。夜間は飲むための食、夜の時間を支える食材たちが主役になるのだ。同じ店でありながら、昼と夜で異なる顔を持つ、二面性のある店だ。朝の食材選びから始まり、午前中の調理、そして昼の提供を経て、午後の仕込みを経由して夜へ向かう。訪問時間帯によって、この店から受ける印象も、料理の顔も全く異なる。正午過ぎに立ち寄るのと、夜間に訪ねるのでは、別の側面が見えてくる面白さがある。

ランチ11:30-15:00 平均800円 限定10食
ディナー18:00-24:00(L.O.22:30) 平均3500円
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POINT04
空間・雰囲気 · 西京極

カウンター中心、親友と行く空間

創作居酒屋こばやしの店構えは、34席が基本で、その大部分がカウンター席とテーブル席によって構成されている。カウンターでは、調理の過程が見える。包丁の音、食材が熱に包まれる音、塩が振られる瞬間——こうした仕事の過程全体が、食べ手の目の前で繰り広げられる。このオープンさは、この店に対する信頼感を自然と生み出す。また、小ぶりなグループなら4人程度まで、テーブル席で落ち着いて座ることもできる。しかし何よりこの店の魅力は、親友同士で向かいやすい雰囲気にある。一人で立ち寄るのも気兼ねなく、気心知れた友人と来るのも違和感がない。会社帰りの二人、金曜夜の三人組、記念日を祝う四人グループ——どんなシーンでも「この店で食べようか」という選択肢に納まる、使い勝手のよさがある。観光地の気取った雰囲気もなければ、飲み屋特有の騒々しさもない。正直さだけが空気を満たしている一軒だ。

席数34席(カウンター中心 + テーブル席)
雰囲気調理が見えるオープン感 + 落ち着き
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POINT05
アクセス・立地 · 京都市右京区西京極徳大寺団子田町

西京極駅からの数分、その先の存在感

西京極駅から南西へ、徒歩およそ6分から7分、およそ410メートルの距離に創作居酒屋こばやしはある。駅前の大通りから一本入った路地へ進み、古い地名「徳大寺」の風情が残る界隈に佇む。この数分の道のりがもたらすものは、単なる距離ではなく「意識の切り替え」だ。駅の喧騒を背に、地元の生活感が透けて見える路地を歩む。その過程で、外部からやってきた人間は、自分がよそ者であることを自覚させられる。だからこそ、この店へ到達した時の解放感は大きい。訪問前に電話で営業状況を確認しておくことを推奨する。営業時間は月火金土が11時30分から15時(ランチ)、18時から24時(ディナー)、日曜は12時から15時(ランチ)、18時から24時(ディナー)、定休は不定休となっている。最新の営業情報や限定メニューは、可能であれば電話(075-204-9303)で確認してから向かうと安心だ。予約の扱いについても、グループサイズが大きい場合は事前に相談しておくと、より快適に過ごせるだろう。駐車場はないため、公共交通機関での来店が前提となる。初めての来訪なら、まずは夜間の訪問を推奨する。昼間の限定プレートも魅力的だが、この店の真価——創作の多様性と季節感——は、夜の時間帯でより色濃く感じられるからだ。

アクセス西京極駅から徒歩6-7分(約410m)
営業時間・定休月火金土11:30-15:00/18:00-24:00 日12:00-15:00/18:00-24:00 不定休
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編集部のひとこと
西京極という地名は、京都の中でも特に地元の人だけが知る場所。そこへ向かう誰かの足を止めさせる創作居酒屋こばやしは、わざわざ行く先として十分な値打ちがある。素材を信じ、季節を信じ、食べ手の舌を信じる——その誠実さが、毎回違う顔で現れる一軒だ。
マチノワ編集部
編集後記末

最後に、歩き方。

西京極駅からの数分の道のりは、この店へ到達するための儀式のようなものだ。訪問時間帯を迷ったら、可能であればディナー時間帯を選びたい。夜の時間帯でこそ、この店が季節の食材たちにどう向き合っているのか、その全貌が見えてくるからだ。一人なら、カウンター席で調理の過程を眺めながら、一杯の酒と季節の創作を。親友との訪問なら、テーブル席に着いて、何度も来ても違う顔を見せる料理について語り合うのもいい。グループでの来訪時は、事前に電話(075-204-9303)で人数や時間帯を伝えておくと、より落ち着いて食事ができるだろう。所要時間としては、一人なら1時間前後、グループなら1時間30分から2時間を目安に考えておきたい。予算は夜間で3500円前後、ランチなら800円の限定プレートが中心となる。ただし季節による変動があるため、来店前に公式情報で確認しておくと確実だ。営業時間や定休日は、月によって変わることがあり、2026年9月時点では不定休となっているため、事前に電話で営業状況を確認した上で向かうことを強く推奨する。駐車場がないため、公共交通機関での来訪が基本だ。京都の観光地から少し外れた、地元の人が足を運ぶ路地の先に、素材の誠実さだけを武器にする一軒がある。わざわざ向かう手間に見合う、食事の時間がそこにはある。

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