食べ手の経験が形になった、バインミーとカレー
Café Bleu 2の核となる二品は『バインミー』(700円)と『サブロカレー』(850円)だ。バインミーは、ベトナムの屋台で日常的に食べられるサンドイッチで、この店では小麦粉を使った手打ちのパンにこだわっている。豚肝のパテとフォアグラのような深みのある東南アジアの柔らかさが、太めのベトナム風に焙煎した豚肉との相性を作る。漬けた野菜の酸味、生の香草の爽やかさ、全体を包む薫香——三つの層が、一口目で整理される。サブロカレーは、店主がフード・トラック時代に作り続け、2004年の食べ歩きコンペティションで第三位を獲得した一皿だ。アワジ島の玉ねぎを一時間かけてキャラメル化し、七種類のスパイスをブレンド。鶏、豚、牛の肉をミックスし、マッシュルームとトマトを加えた、層の厚いカレーに、黄身を落とした卵がのる。スパイスの立ち上りから始まり、玉ねぎの甘みと旨みが奥行きを作り、最後に卵黄で全体をまろやかにする——十七年分の食べ歩きが、この一皿に集約されている。商店街での買い物の途中、まずこの二品をひとつは口にすれば、この店の考え方が理解できる。