毎朝の仕入れ——碧南大浜漁港と名古屋柳橋市場、二つの仕入れ先が支える鮮度
安城市は三河湾から離れた内陸の街だが、魚美本店の刺身や舟盛りに使われる魚介は、毎朝仕入れられる。仕入れ先は二つ、碧南市の大浜漁港と、名古屋の柳橋市場だ。漁港からは地物の魚を、柳橋市場からは全国から集まる多様な魚種を、それぞれの日の状況に合わせて買い付けている。この二段構えの仕入れが、海に面していない安城でも、刺身が1皿650円ほどからという価格ながら約10種類を揃え、まぐろなら1皿に15切れというボリュームを出せる理由だ。分厚くカットされた刺身は、薄利であっても質と量を優先する店の姿勢そのものと言えるだろう。舟盛りに使うヒラメも、店頭に活け造りとして並ぶ日がある。二つの仕入れ先を併用しているのは、片方の漁が振るわない日でも、もう一方で品揃えを補える体制を作るためでもある。単なる調達手段ではなく、内陸の街に海の値打ちを毎日欠かさず運び込むための仕組みそのものだ。