登り窯着想の薪窯で、注文ごとに一枚を焼き上げる
薪窯ピザ ドーノの核にあるのは、登り窯の仕組みをヒントに手作りしたという薪窯だ。窯内はおよそ400度まで上がり、注文を受けてから一枚ずつ生地を伸ばして仕込んだピザを、この高温で一気に焼き上げる。生地を前もって寝かせておくチェーン店の方式とは違い、オーダーが入ってから成形するため、焼き上がりまでには相応の時間がかかるが、その分、外はパリッと、中はもちっとした食感に仕上がる。ガス窯や電気窯ではなく、薪を焚べる窯を自分たちで組んだという成り立ちからも、火の入れ方そのものにこだわってきた店であることが伝わってくる。丹波の山あいという立地は、薪を扱う店にとっても環境として無理のない場所だ。陶芸の窯元が並ぶ町で、ピザもまた窯で焼くという組み合わせは、この店を選ぶ理由のひとつになる。一枚が焼き上がるまでの待ち時間も、窯業の里らしい時間の流れとして楽しみたい。焼きたてが運ばれてくる瞬間の香ばしい匂いも、この店で待つ価値のひとつで、待っている間に庭を眺めて過ごすのもこの店らしい時間の使い方だ。