マチノワ · 2026年 春号
2026-09-02
HAMASEI UEDA

上田市中央で60年近く灯り続く
備長炭焼きのうなぎ、浜せい。

上田市の中央区は、市街地でありながら静かな界隈だ。大型店や派手な看板が少なく、どこか昭和の街並みが残る地域で、世代から世代へ味を守り続ける店が根を張っている。そんな上田中央に浜せいはある。建物は小ぶりで、看板も控えめだが、扉を開けた瞬間に備長炭の香りが立ち上る。ここは備長炭で焼き上げるうなぎの専門店で、先代から受け継ぐ甘さ控えめで塩辛い独自のタレが、毎日の火で磨かれている。上田という場所で半世紀近くにわたって灯り続けてきたのは、その軸がぶれなかったからこそ。地元の人にも、遠方から訪ねてくる人にも選ばれる理由は、備長炭とタレ、そして素材への向き合い方に尽きる。

副題

上田駅から徒歩15分、先代から受け継ぐ甘さ控えめのタレと備長炭の火が出会う場所

編集

マチノワ編集部

上田駅から徒歩15分、先代から受け継ぐ甘さ控えめのタレと備長炭の火が出会う場所✦編集部厳選✦HAMASEI UEDA✦5 POINTS✦2026年 春号✦上田駅から徒歩15分、先代から受け継ぐ甘さ控えめのタレと備長炭の火が出会う場所✦編集部厳選✦HAMASEI UEDA✦5 POINTS✦2026年 春号✦
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POINT5

上田駅から徒歩15分、先代から受け継ぐ甘さ控えめのタレと備長炭の火が出会う場所。

編集部が選んだ5つのポイントを順にご紹介します。上田市の中央区は、市街地でありながら静かな界隈だ。大型店や派手な看板が少なく、どこか昭和の街並みが残る地域で、世代から世代へ味を守り続ける店が根を張っている。そんな上田中央に浜せいはある。建物は小ぶりで、看板も控えめだが、扉を開けた瞬間に備長炭の香りが立ち上る。ここは備長炭で焼き上げるうなぎの専門店で、先代から受け継ぐ甘さ控えめで塩辛い独自のタレが、毎日の火で磨かれている。上田という場所で半世紀近くにわたって灯り続けてきたのは、その軸がぶれなかったからこそ。地元の人にも、遠方から訪ねてくる人にも選ばれる理由は、備長炭とタレ、そして素材への向き合い方に尽きる。

POINT01
うなぎ・和食 · 上田市中央

備長炭で焼き上げるうなぎ、先代から受け継ぐ甘さ控えめのタレ

浜せいの味の中心にあるのは、備長炭という素材と、先代から引き継いだタレの配合だ。備長炭は火力が安定し、長時間にわたって一定の熱を保ち続ける特性があり、うなぎの身をじっくりと火で通すのに向いている。一般的なうなぎ屋が甘辛いタレを多用する中、浜せいが選んだのは甘さ控えめで塩辛味を加えた独自の配合だ。この違いは小さく見えるかもしれないが、毎日のように炭火の前に立つ店主の手によって、何十年と積み重ねられた判断の積み重ねがある。備長炭の火が弱まれば足し、タレが濃くなれば調整する。そうした日々の微調整の中で、先代が遺した配合は守られている。上田という土地で愛され続けてきた理由のひとつが、この「ぶれない軸」にあるのだ。看板メニューのうな重は、松・華・丼の三種類で、最もボリュームのある松は4,400円、手頃な丼は2,640円という価格設定。どれを選んでも、備長炭とタレの組み立てに変わりはなく、提供されるご飯や付け合わせの野菜が異なる構成になっている。

看板料理うな重(松・華・丼) ほか
調理の軸備長炭焼きと先代のタレ
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POINT02
調理技法 · 上田市中央

関東風に蒸してから焼く、ふっくらとした食感

うなぎの調理法には大きく分けて二つの流派がある。関西は焼いて油を落とすやり方で、相対的に香ばしくなる傾向にある。対して関東は、先に蒸してから焼くやり方で、身の中までタレが入り込み、ふっくらとした食感が保たれやすい。浜せいが採用しているのは関東風のこの技法で、蒸す段階でうなぎの脂を程よく落としながらも、身の柔らかさを失わせないバランスを取っている。この技法は単なる調理の選択肢ではなく、先代から受け継がれた店の個性を形作る重要な要素だ。蒸す時間が長すぎれば身が締まり過ぎて硬くなり、短すぎれば脂が残り過ぎる。その塩梅を毎日のように調整しながら、一定の品質を保つのが店主の腕の見せ所である。関東風で仕上げたうなぎは、備長炭で焼き上げるときに、タレがしっかり食い込み、甘さ控えめで塩辛いという配合がより引き立つ。蒸してから焼くという技法が、先代のタレの個性を引き出す前提条件になっているのだ。白焼丼という、タレを掛けずにうなぎの素の味わいを楽しむメニューもあり、調理技法そのものに自信を持つ店の姿勢がうかがえる。来店するなら、蒸してから焼くという技法が生み出す、ふっくらとした食感を実感するところから、浜せいという店を理解することができる。

調理法関東風(蒸してから焼く)
特徴ふっくらとした食感
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POINT03
素材・地産地消 · 上田市中央

立科町産コシヒカリと季節の地域野菜で仕立てる、素材の選び方

うなぎ専門店において、ご飯はうなぎと同じくらい大切な要素だ。浜せいが選んでいるのは立科町産のコシヒカリで、これは上田市の隣町から仕入れた地元産の米だ。立科町は長野県東信地方の農業地帯で、この地域のコシヒカリはしっかりした粒立ちと甘みが特徴で、備長炭焼きのうなぎとの相性がいい。ご飯の炊き加減にも配慮があり、うなぎの味が立つようにやや硬めに炊く傾向にある。タレをかけた時に、ご飯がベチャベチャになるのを避けるためだが、これは経験を重ねた店だからこそできる調整だ。さらに、季節の地域野菜を付け合わせとして用意しており、春は山菜の天ぷら、秋は栗や根菜の煮物といった具合に、季節ごとに異なる野菜が盛り込まれる。こうした季節感は、上田という街の四季をご飯の中に呼び込む工夫でもある。素材で妥協をしない姿勢は、ボリュームの大きいうな重松から、リーズナブルなうな丼弁当に至るまで一貫している。本気で地元素材に向き合う店だからこそ、どのメニューを選んでも、その店の個性が透けて見える作りになっているのだ。

ご飯立科町産コシヒカリ
付け合わせ季節の地域野菜
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POINT04
営業スタイル · 上田市中央

昼の予約制から夜の気軽な立ち寄りまで、時間帯で変わる使い方

浜せいの営業は昼と夜で営業スタイルが大きく異なる。昼間は11時から14時までで、この時間帯は予約制となっている。宴会や家族の集まり、あるいはちょっと奮発したいランチとして、事前に予約を入れて訪れる人が多い時間帯だ。昼間に予約制を採用しているのは、仕込みの時間を必要とする店だからこそであり、毎日新鮮なうなぎを仕入れ、丁寧に処理し、焼き上げるプロセスを大事にしている姿勢の表れだ。一方、夜は17時30分から21時30分までの営業で、この時間帯は予約なしでも立ち寄れる。仕事帰りに一人で来店して、カウンター席でうな重を食べて帰るという使い方も、複数人で来店して静かに食事をするという使い方もできる。夜の営業時間の中盤は比較的落ち着いており、静かな環境で食事をしたい人には夜のやや遅い時間帯が狙い目だ。昼と夜で営業スタイルが異なるという仕組みは、一見すると複雑に見えるかもしれないが、実はこれが小ぶりながら上質を保つ店の工夫なのだ。無理に営業時間を延ばすのではなく、昼は予約で質を担保し、夜は気軽に立ち寄れる雰囲気を作る。こうしたバランスの取り方を保ちながら、半世紀近く営業を続けている。

昼営業11:00〜14:00(予約制)
夜営業17:30〜21:30
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POINT05
アクセス・街歩き · 上田市中央

上田駅から徒歩15分、中央区の街歩きとうなぎの組み立て

最寄りは JR 信越本線と北陸新幹線が乗り入れる上田駅で、東口から徒歩で15分ほどの距離にある。駅から店までの15分の道のりは、上田市の中央区を横切るルートで、途中に商店街や地元の小さな飲食店が並ぶ風景を眺めることができる。この15分を使って、街の空気を感じた上で店に着くという流れは、わざわざ遠方から訪れる人にとって、上田という場所を理解する前置きになる。上田に何度も来ている人であれば、夜の営業時間に仕事帰りや用事を済ませた後に立ち寄るという使い方が自然だ。一方、観光や出張で初めて上田を訪れるという人であれば、昼間に予約を入れておき、駅からの移動の中で街を観察しながら向かうという動線が構成しやすい。定休日は日曜日と月曜日(不定期)で、営業していない曜日の確認は事前に電話で確認しておくと確実だ。駐車場は直営でなく、近隣のコインパーキングを利用する必要がある。電話は0268-25-1726で、予約や営業状況の確認はここに問い合わせるといい。昼の予約をしたい場合は、来店希望日の数日前に連絡しておくと、スケジュール調整がスムーズだ。上田という街の中心部から少し外れた場所に位置する浜せいだからこそ、わざわざそこへ向かうというプロセスそのものが、この店の魅力を感じるための準備運動になるのだ。

アクセス上田駅東口より徒歩15分
定休日日曜日・月曜日(不定期)
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編集部のひとこと
上田市中央で60年近く、浜せいが灯り続けてきたのは、先代の味と備長炭の火を守り続けたからだ。甘さ控えめで塩辛い、その一皿のタレも、関東風に蒸してから焼くという技法も、すべては同じ軸から生まれている。立科町産コシヒカリと季節の野菜も加わり、一杯のうな重が上田という街を映す鏡になる。
マチノワ編集部
編集後記末

最後に、歩き方。

昼間は予約を手に、駅から街を歩きながら店へ向かうなら、上田という場所を五感で感じた上でうなぎと対面することができる。その15分の移動の中で、なぜこの場所でこの店が選ばれ続けてきたのか、その背景が少しずつ見えてくるだろう。夜の営業時間に立ち寄るなら、仕事を終えた後の静かな時間帯を選ぶと、備長炭の香りが立ち上る小ぶりな店の中で、落ち着いて食事ができる。うな重松はボリュームがあり、宴会や家族の集まりに向いている。一方、うな丼弁当は手頃で、一人での来店や軽めの食事に向く。所要時間は松・華を頼む場合で45分から1時間程度、丼や白焼丼であれば30分ほどで食べ終わることができる。予算はメニューによって異なり、松が4,400円、華が3,630円、丼が2,640円という価格帯。ドリンクを含めると、さらに1,000円から2,000円が加わる。上田駅周辺から夜道を歩いて来店する場合は、街灯が限られた区間もあるため、懐中電灯があると安心だ。営業時間や定休日は季節や仕込みの都合で変わることもあるため、計画を立てるなら必ず事前に電話で確認しておくのがよい。

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