豆板醤・ラー油・山椒油で組む一杯。辛さと痺れは、客ごとに振り分けられる
この店の軸は、店名がそのまま示している汁なし担々麺だ。味を組み立てているのは豆板醤、ラー油、そして山椒油。汁がないぶん、タレは麺に直接絡む。丼の底に沈んだタレと肉味噌、上にのる具材を自分でよく混ぜ合わせてから箸を進める形で、混ぜるほどに山椒の香りが立ち上がってくる。そしてこの店で特徴的なのが、辛さと痺れを店主が客の好みに合わせて調整してくれることだ。辛いものが得意ではない人、逆に山椒をもっと効かせたい人、それぞれに合わせて振り幅を変える。初めて来た客には、どのあたりが好みかを聞いたうえで一杯を組み立ててくれる。つまり同じ九百五十円の丼でも、隣の席と自分とでは味の設計が違うということになる。二回目からは前回を基準にして足し引きを頼めるので、通うたびに自分の着地点を探していける。食べ終えたあとに二百円のライスを頼み、丼に残ったタレを絡めて締めるのが、この店での定番の流れだ。価格は九百五十円から千円前後。金額は時期で動くことがあるので、訪れる前に電話や公式SNSで確かめておきたい。