3日以上かけて作る、熟成・凝縮したスパイスカレー
幌馬車 樹樹の核にあるのは、スパイスカレーという料理に向き合う、店主の根本的な姿勢だ。このカレーは、3日以上かけて丁寧に仕込まれる。複数のスパイスを組み合わせ、時間をかけて香りと旨味を抽出し、熟成させることで、初めて「一皿」として完成する。その過程で、ワンコインという価格では到底実現できないはずの、奥行きのある味わいが生まれる。8年の試行錯誤というのは、単なる開発期間ではなく、「安くても本気で作ったカレーとは何か」という問いに向き合い続けた時間なのだ。店主は、かつて飲食店のスタッフ時代、賄い料理としてカレーを作り続けていたという。その経験から生まれた「安くておいしい」というコンセプトは、今でも変わらない。創価大学駅伝部の栄養サポートに携わるという側面も、この姿勢を物語っている。スポーツ選手の食事を支える立場で培われたのは、限られた予算の中で最大の栄養価と美味しさを両立させる技術だ。その技術が、今この店のカレーに活かされている。熟成・凝縮された旨味と風味は、食べ手の側でも理解される。ワンコインのカレーとは思えない、という評価は、実は「こんなに手をかけるはずがない」という驚きの表現なのだ。