郷土寿し十貫。品書きの中心に据えられた、屋号どおりの一皿
店の名は寿し処。品書きの中心に置かれているのも、やはり寿司だ。郷土寿しは十貫で千二百円。昼にはこれをランチとして組んだ郷土寿しランチが千百八十円で用意されている。十貫という数は、腹を満たす量としては過不足がない。多すぎて持て余すことはなく、少なすぎて物足りないということもない。参拝や散策のあとに一度腰を下ろして、それから午後の行程に戻る——そういう使い方を前提にした量だ。価格の置き方も同じ方向を向いている。門前という立地でありながら、昼の予算は八百円台から始まる。千二百円という数字は、寿司を看板に掲げる店の主力としては抑えた側に入る。ネタや仕込みの細かい話は店頭の品書きに委ねるとして、ここで押さえておきたいのは、この店が寿司を特別な日のためだけの料理として扱っていないという点だ。霧島田口という山あいの町で、昼にも夜にも寿司が頼める。それ自体が、この一軒の役割を説明している。品書きや価格は時期で動くことがあるので、狙いがあるなら電話で確かめてから向かいたい。