マチノワ · 2026年 春号
2026-09-24
HOKOTEI KIYOSHIKOJIN

清荒神参道に灯る大正八年創業、宝光亭のお麩おでんという味

清荒神清澄寺へと続く参道は、線香の香りと年季の入った土産物店の看板が入り混じる、独特の空気をまとった通りだ。清荒神駅から歩いて10分ほど、参道の中ほどに差しかかったところに、大正八年創業のお食事処、宝光亭は暖簾を掲げている。宝塚市清荒神という土地でこれだけ長く商いを続けてきた店は多くなく、看板には創業大正八年の文字がそのまま掲げられている。名物は、向かいの店で扱う「かたやきふ」を具材にしたおでん。参拝帰りに一杯やっていく客も、参道を歩く途中で足を止める客も、目当てはこの一皿だ。営業は午前10時から午後3時までの昼間だけで、夜まで粘る店ではない。予約は受け付けておらず、会計も現金のみと、昔ながらの商いの形をそのまま残している。荒神さんへの参拝と組み合わせて、昼どきに立ち寄る使い方がこの店にはよく似合う。

副題

老舗おでん処 / 兵庫県宝塚市清荒神 / 参道歩きの合間に

編集

マチノワ編集部

老舗おでん処 / 兵庫県宝塚市清荒神 / 参道歩きの合間に✦編集部厳選✦HOKOTEI KIYOSHIKOJIN✦5 POINTS✦2026年 春号✦老舗おでん処 / 兵庫県宝塚市清荒神 / 参道歩きの合間に✦編集部厳選✦HOKOTEI KIYOSHIKOJIN✦5 POINTS✦2026年 春号✦
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POINT5

老舗おでん処。

編集部が選んだ5つのポイントを順にご紹介します。清荒神清澄寺へと続く参道は、線香の香りと年季の入った土産物店の看板が入り混じる、独特の空気をまとった通りだ。清荒神駅から歩いて10分ほど、参道の中ほどに差しかかったところに、大正八年創業のお食事処、宝光亭は暖簾を掲げている。宝塚市清荒神という土地でこれだけ長く商いを続けてきた店は多くなく、看板には創業大正八年の文字がそのまま掲げられている。名物は、向かいの店で扱う「かたやきふ」を具材にしたおでん。参拝帰りに一杯やっていく客も、参道を歩く途中で足を止める客も、目当てはこの一皿だ。営業は午前10時から午後3時までの昼間だけで、夜まで粘る店ではない。予約は受け付けておらず、会計も現金のみと、昔ながらの商いの形をそのまま残している。荒神さんへの参拝と組み合わせて、昼どきに立ち寄る使い方がこの店にはよく似合う。

POINT01
おでん · 宝塚市清荒神

大正八年から継がれる、お麩のおでん

宝光亭の看板は、なんといってもお麩を具材にしたおでんだ。使っているのは、道を挟んだ向かいの店で売られている「かたやきふ」。乾物の麩をそのままおでんの鍋に沈め、出汁をたっぷり吸わせて仕上げる。箸を入れるともっちりとした弾力があり、口に運ぶとつるりとほどけていく、独特の食感が持ち味だ。大正八年の創業以来、この土地で商いを続けてきた店だけに、出汁は継ぎ足しを重ねてきたもので、複雑な旨みが染み込んでいる。大根やじゃがいもといった定番の具にも同じ出汁がしっかり回り、ひと椀で満足できる仕立てになっている。おでんセットとして提供されており、参拝の合間に軽く済ませたい日にも、じっくり腰を据えて味わいたい日にも対応できる一皿だ。参道沿いの店だからこそ成立する、地の食材と長年の出汁が組み合わさった名物だと言える。

名物お麩のおでん(おでんセット)
営業時間10:00〜15:00(不定休)
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POINT02
おでん・仕入れ · 宝塚市清荒神

向かいの麩問屋と結びついた、参道ならではの仕入れ

他のおでん専門店と宝光亭を分けているのは、具材の出どころだ。道の向かいにある店で売られている「かたやきふ」を仕入れ、そのままおでんの鍋に落とす。参道という狭いエリアの中で、隣り合う店同士が持ちつ持たれつの関係を築いてきたからこそ生まれた組み合わせで、他の街で同じ一皿を再現しようとしても、この麩でなければ同じ食感にはならない。参道を歩けば、麩を扱う店とおでんを出す店が向かい合っている光景そのものを見ることができ、店の成り立ちを目と足で確かめられるのもこの立地ならではだ。長く同じ場所で商いを続けてきた店同士だからこそ保たれている関係で、一見の観光客には見えにくいが、地元では当たり前に知られたつながりだ。おでんを一杯食べるだけでなく、向かいの店で麩を買って帰るという楽しみ方もできる。参道全体を巻き込んだ商いの形が、この店の個性を支えている。

具材の仕入れ先参道向かいの麩問屋
支払い現金のみ
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POINT03
おでん · 宝塚市清荒神

継ぎ足しの出汁と、しみしみの大根・じゃがいも

宝光亭のおでんは、麩だけでなく大根やじゃがいも、卵といった定番の具にも出汁がしっかり染みている。長年継ぎ足してきた出汁は一度に完成したものではなく、日々の商いの積み重ねでできあがった味だ。おでんセットは1000円前後で提供されており、参道歩きの合間に立ち寄るにも、腰を据えて一杯を味わうにも収まりのいい価格帯になっている。単品での追加も可能なので、麩だけをもう一皿頼む、卵を足すといった調整がしやすいのもこの店の使い勝手のよさだ。会計は現金のみで、カードや電子マネーは使えないため、財布に小銭を用意しておくと会計がスムーズだ。予約は受け付けておらず、参道を歩いていて席が空いていれば座る、というのがこの店の使い方になる。営業時間は午前10時から午後3時までと昼に限られており、天候によって閉める時間が前後することもある。訪れる時間帯を大きく外さないようにしておきたい。値段や営業時間は変更される場合があるため、電話や現地の掲示で確かめておくと確実だ。

おでんセット1000円前後
予約不可
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POINT04
店内空間 · 宝塚市清荒神

窓際の小上がりで過ごす、昭和の面影が残る店内

店内に足を踏み入れると、木造の建物と年季の入った調度品が目に入る。窓際には小上がりの座席が設けられており、参道を行き交う人の姿や、季節ごとに移り変わる外の景色を眺めながら座れる造りになっている。内装の新しさで惹きつける店ではなく、大正から積み重ねてきた時間そのものが店の空気を作っている。実家に帰ったときのような、肩の力が抜ける居心地のよさがこの店の持ち味だ。一人でふらりと立ち寄って一杯だけ楽しむ使い方もできるし、家族連れで参拝帰りに立ち寄って、小上がりで足を伸ばしながら食事をする使い方もできる。観光客だけでなく、地元で長く清荒神さんに通ってきた人たちが顔なじみのように腰を下ろしている光景も見られる店だ。店の造り自体が大正八年から大きく手を加えられていないぶん、椅子やテーブルの配置は決して広くはない。混雑する時間帯には相席になることもあるため、その点は心づもりをしておきたい。昔ながらの佇まいを保ち続けていること自体が、この店を選ぶ理由になっている。

座席窓際に小上がり席あり
雰囲気大正創業・昭和期から続く木造の店内
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POINT05
アクセス・立地 · 宝塚市清荒神

清荒神駅から参道を歩いて10分、清澄寺参拝との組み合わせ

宝光亭の最寄り駅は阪急清荒神駅で、駅から清荒神清澄寺へと続く参道を歩いて10分ほどの距離にある。参道には線香やお守り、乾物を扱う土産物店や食事処が連なっており、宝光亭はその中ほど、清澄寺への道のりがおよそ半分を過ぎたあたりに店を構えている。荒神さんの通称で親しまれる清澄寺への参拝と組み合わせて立ち寄る客が多く、参拝前の腹ごしらえにも、参拝を終えた帰り道のひと休みにも使える立地だ。住所は兵庫県宝塚市清荒神3-15-16、電話は0797-86-6456。参道は緩やかな上り坂が続くため、歩き疲れたタイミングで店の前に差しかかることになる。営業は午前10時から午後3時までで、参拝の予定を昼過ぎまでに収めておくと、店が開いている時間に立ち寄りやすい。清荒神という土地そのものが、参拝と食事を一続きの体験として楽しめるようにできており、宝光亭はその動線の中に自然に組み込まれている店だ。参道の店同士の距離が近いぶん、食べ歩きや土産選びと合わせて予定を組みやすいのも、この立地ならではの利点で、参拝の帰りに宝光亭で一息ついてから駅へ戻る、という流れが自然にできあがっている。

最寄り駅阪急清荒神駅 徒歩約10分
住所兵庫県宝塚市清荒神3-15-16
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編集部のひとこと
清荒神参道の中ほど、大正八年から暖簾を守ってきたのが宝光亭だ。向かいの店の麩を使ったおでんを、継ぎ足しの出汁でじっくり煮込む――参拝帰りに一杯やっていく客の姿が絶えない、まさに編集部イチオシの一軒です。
マチノワ編集部
編集後記末

最後に、歩き方。

清荒神駅の改札を出て参道を歩き出すと、土産物店の看板が途切れることなく続き、その先に宝光亭の暖簾が見えてくる。清荒神を訪れるなら、参拝を先に済ませてから、帰り道でこの店に寄る順番が歩きやすい。おでんセットひとつで軽く済ませることもできるし、麩や大根、卵を追加して腰を据えて食べることもできる。デートで訪れるなら、参道を並んで歩いた延長で小上がりに座り、参拝の余韻を話しながら過ごす使い方が向いている。一人で来た場合も、カウンター越しに一杯だけ頼んで、参道歩きの休憩に使えばいい。所要時間は20分から40分ほどを見ておけば十分で、長居をする店ではない。予算はおでんセット中心なら1000円前後に収まり、麩や卵を単品で足しても大きくは膨らまない。会計は現金のみのため、小銭を用意しておきたい。予約は受け付けておらず、営業も午前10時から午後3時までと昼間に限られる。定休日は不定休で、雨天時は閉める時間が早まることもある。営業時間や価格は変わることがあるため、訪れる前に電話で確かめておくと確実だ。参道歩きの一区切りとしてこの店を組み込んでおくと、清荒神での時間がひとつながりになる。

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