湘南の旬食材を、和と洋のあいだで仕立てる一皿
キッチンおばたの料理は、湘南エリアで仕入れた旬の食材を軸に組み立てられる。メニューは固定ではなく、その日仕入れた素材によって内容が動く形式を取っており、和食の技術と洋食の技術を行き来しながら一皿に仕上げていく。看板として名前が挙がるのは、エビとチキンを合わせてグラタン仕立てにした一品と、ごぼうを揚げた一皿の二つだ。派手な演出に頼るのではなく、その日その日の素材の状態を見ながら手を動かす、作り手の判断が味に直結する料理と言える。訪れるたびに違う組み合わせに出会えるのは、固定メニューの店にはない楽しみでもある。仕入れ次第で品が変わるという性質上、目当ての一皿が必ず食べられるとは限らない点は、あらかじめ理解しておきたい。何が出るかを含めて楽しむ店、と捉えるのがこの店との付き合い方に合っている。店が掲げる「旬の和洋創作料理と厳選日本酒を嗜む隠れ家」という言葉どおり、和食の一皿・洋食の一皿という区分けにこだわらず、素材の魅力を引き出すために技法を選ぶという考え方が献立の土台にある。