サムギョプサルから始まる、炭火焼肉の基本形
韓国家庭料理 炭火焼肉 しんちゃんの軸になっているのは、サムギョプサル(豚三枚肉)という一品だ。厚めにカットされた豚肉を、テーブルの真ん中に備え付けられた黄銅製の焼き台で焼く。家庭料理としての韓国焼肉は、高級な和牛ばかりを追求する流れとは別に、日常的な豚肉をどう活かすかという職人技が存在する。この店のサムギョプサルは、脂の乗り加減を計算した仕入れと、塩ダレの掛け方で、炭火の熱に応じた表面のカリッとした食感と、中身の柔らかさを引き出している。客自身が焼く時間は、単なる「調理の手間」ではなく、テーブルを囲む誰もが関与できる食事の儀式になる。オーダーしてから炭火が起こるまでの時間、肉が焼き色を変えていく過程、タイミングを見計らって塩ダレをつけるまでの一連の流れ——それは飲食店での「待つ間の退屈」を「共有する時間」に変える。小牧という生活圏での毎日の中で、こうした「手間の心地よさ」が何度も選ばれる理由になっている。